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雪色のプリマヴェーラ chapter3

 

 

お隣さん健人くんとデート。

 

第3話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポコ、と鳴った携帯を反射的にとってしまうのはあの日からの癖。健人くんじゃない時はなんとなくがっかりしてしまう、なんて他の人には少し失礼な話。でも今のは、

 

 

『.........健人くんだ』

 

 

送られてきたのはボニータちゃんの画像。今日も可愛いお洋服に身を包まれた彼女は目がクリクリで。ほんと可愛いなあ、天使みたい。

 


続けて、ポコポコ、と二度鳴ったそれにすぐ既読の文字がつく。

 

 

『!えっ......かっこいい、』

 

 

" 髪染めたんだ、どう?^_^ 笑 " 、添えられた画像にはまるで雪のようなグレーに染まった健人くん。自撮りを送るのはさすがに恥ずかしかったのか、ボニータちゃんとの2ショット。

 


......この絵文字久々に見た、なんていうかちょっとだけおじさんぽい。普段あんなにキラキラして王子様みたいな人がこんな文面なんて、......うん、相当なギャップ萌えかも。

 

 

" 綺麗な髪色ですね、すごく似合ってます❄️ボニータちゃん今日も可愛いです! "
" ありがとう。笑 "

 

 

1日何通かやり取りするこの時間は、会っていなくてもお互いを知れるから楽しくて。
気付けば壁の向こう側だった知らないお隣さんは、わたしの日常の一部になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日、健人くんと出逢って1ヶ月経ったくらいの頃。

 

 

" ○○ちゃん今日も1日お疲れ様^_^
この間素敵なバー見つけたんだけど、○○ちゃんと行きたいなって思って。
突然なんだけど、空いてる日あるかな?

最近会えてないし、もし良かったら一緒にどうかな^_^
絶対○○ちゃんに気に入ってもらえる自信があるから。笑 "

 

 

な、長い......久々にLINEでこんな長い文章きた。ってそんなことよりも、これってお誘い、だよね?健人くんと2人ってデート......は浮かれすぎか。ただわたしが好きそうなお店だからご好意で誘ってくれただけだろうし、.........既婚者といえどもわたしには慧さんがいるんだから。浮かれない浮かれない。

 

 

" ありがとうございます、ぜひ行きたいです!夜ならいつでも空いてます。 "
" じゃあ明日の夜はどうかな?ちょっと急すぎ? "
" わたしは大丈夫なんですけど、中島さんはお忙しくないですか? "
" 俺も大丈夫!じゃあ20時にここで待ってるね。エスコートできなくてごめんね。 "

 

 

エスコート、なんて。一般人のわたしでもアイドルが恋愛スクープ厳禁なことはわかる。それがたとえ根も葉もない嘘で、相手がただの隣人一般女性A子さんだとしても。

 

 

" お気持ちだけで十分です^_^ "
" あ、同じ顔文字。笑 明日楽しみにしてるね "
" わたしもです "
" じゃあおやすみ "

 


『......おやすみなさい』

 

 

ベッドに入っても目が冴えてしまって。何着ていこう、髪はどうしよう、2人で出掛けるくらい浮気にならないよね、慧さんはまず......既婚者だし、一昨日も奥さんがとか言ってまた早く帰ったな、.........、もう考えるのやめよ。

 


高揚と不安定な気持ちが入り乱れる。何度も寝返りを打つうちに、いつの間にか眠りの世界へと誘われていた。

 

 

 

 

 

 


カランコロン、ドアベルの音が耳に心地好く響く。店内には様々な絵画が飾られていて。一目で気に入ってしまう。予約の名前を言って案内された場所には、ひらひらと手を振る健人くん。外で見る姿は新鮮で、何だかどぎまぎする。

 

 

「久しぶり、○○ちゃん」
『お久しぶりです、』
「...もしかして緊張してる?」
『う、バレました?実はバーとかなかなか来なくて、お洒落すぎて緊張してます』

 

 

"かわいい"、とクスクス笑みを零す健人くんがさり気なくコートを脱がすのを手伝ってくれて、椅子まで引いてくれる。...エスコートなんてこれで十分すぎるくらい。

 


ビジューのついたコートを脱げば、肩だけちらっと見えているオフショルのワンピース。髪はわたしにしては珍しくゆるく纏めてみて。お化粧だって少し大人っぽくしたのは、隣に座っていて恥ずかしくない女性でいたかったから。

 

 

「......今日は一段と綺麗だね」
『え、っと、...ありがとう、ございます、』
「ねえそんな照れられたら俺も恥ずかしくなっちゃうじゃん(笑)」
『、だって健人くんがさらっといつも褒めてくれるから...』
「えー、だって○○ちゃんかわいいもん」
『〜〜!もう、なんか反応楽しんでませんか?』
「あ、バレた?(笑)ふふ、ごめんごめん」

 

 

思わず火照った頬を誤魔化すようにメニューを開く。えっ、全然知らないお酒の名前ばっかり......、サイドカー、ってカクテルの名前だよね?

 

 

「たくさんあって難しいよね、決まりそう?」
『全然知らないのばっかりで、......あ!このティンカーベルだけ知ってます』
「へえ、結構マイナーじゃない?」
『前に教えてもらって、』

 

 

そう、これは慧さんと初めてのデートで連れられたバーで頼んだお酒。甘いから飲みやすいと思うよ、って勧められたんだっけ。これにしようかな、そう思ったその時。
ねえ、と少しだけ距離が縮まる。

 

 

「それって他の男に教えてもらったの?」
『はい、一応...?』
「......じゃあだめ、今日は俺とのデートでしょ」
『、へ、......?!』
「嫌?」

 

 

上目遣いずるい、だとか、嫌なわけない、だとか。......デートで良かったんだ、とか。
もうキャパオーバー。

 

 

『いやじゃない、です』

 

 

上擦った声に満足そうに瞳が細められて。"俺のオススメ教えるね"、とあの甘く蕩けさせるような声色が鼓膜に響く。嗚呼もう、なんだかこれだけで酔ってしまいそう。

 

 

〈お待たせしました、オーロラとグラッドアイです〉
『わあ、綺麗...!』

 

 

三角のグラスの中で赤色がユラユラと揺れる。全てを虜にしてしまうような鮮やかなその色の味は、フルーティーで飲みやすくて。思わず感動して健人くんを見つめてしまう。

 

 

『美味しいです!すっごく飲みやすいし!』
「良かった、このカクテルの意味って偶然の出会いなの、俺たちにぴったりでしょ?」

 

 

こんな漫画みたいな台詞だって、さらっと似合っちゃうんだからすごい。

 

 

『健人くんのカクテルにも意味があるんですか?』
「んー、知りたい?」
『教えてください、』
「......まだ秘密、今度教えてあげるね」

 

 

す、と線の美しい人差し指がふっくらとした唇に充てられる。ゆっくりと微笑むその仕草は妖艶で。パッ、と視線を逸らせば誤魔化すようにグラスに口付けた。

 

 

 

 

 

 


2杯までだよ、とやんわり止められた身体は適度にふわふわとしていて。もっと色んなの飲んでみたかったけど2杯でやめて良かった。

 


時間差で別々のタクシーに乗って同じマンションへと帰れば、健人くんが廊下で携帯を弄ってて。......待っててくれたんだ。

 

 

『お待たせしてすみません...!』
「ううん、俺が○○ちゃんのこと待ってたかっただけだから、......あれ、ちょっと顔赤くない?酔っちゃったかな」
『えっ、と、だいじょうぶです』

 

 

歯切れが悪くなったのは桃色に染った頬にひんやりとした手が添えられたから。2人の距離がいつもより近い気がするのは、カクテルたちのおかげなんだろうか。

 

 

「次も楽しみにしてていい?」
『ふふ、こちらこそです』

 

 

悪戯っぽい視線にこくん、と頷く。
だってそんなの、わたしの台詞だから。

 


じゃあまた、と別れて部屋の鍵を取り出、......あれ、ちょっと、え、?

 

 

「?どうしたの?」
『鍵が、、、』

 

 

部屋に入らないわたしを不思議そうに見る健人くんの目の前にぶらん、と鍵をだす。キーケースにはエントランスを開ける鍵しかついてなくて、よく見ると輪っかは少し隙間が開いていた。

 


......鍵、無くしちゃった!うそ、どこで落としたの?なんて焦ってももうどうしようもない。仕方ない、今晩は誰かの家に泊めてもらうか、駅前のホテルにでも泊まろう。

 

 

『あの、わたしは大丈夫なので!』
「あ、彼氏さんいるもんね」
『、えっ......』

 

 

彼氏と慧さんが結びつくまでに時間がかかって。そっか、健人くんは慧さんが彼氏で、わたしと同棲してると思ってるんだ。こんな家賃の高いマンション、学生の一人暮らしな訳ないもんね。

 

 

『ん、と、彼はあまり家にいないんです、』
「そうなんだ、じゃあ今日も?」
『......多分今日は仕事だと思います』

 

 

うそ、今頃きっと彼は奥さんと温かな家の中で過ごしているはず。吐いた嘘はチクリ、と胸を刺す。嘘をつかなきゃいけない関係を受け入れているのは、自分なのに。

 


嘘を纏ったわたしに、健人くんに心配してもらう権利なんて、ない。

 

 

『ッ、友達に連絡して泊めてもらえないか聞いてみます、無理だったらホテルにでも泊まりますから、、ご迷惑お掛けしてすみません、』
「こんな夜遅くに1人で出歩く方が心配なんだけど、○○ちゃん女の子なんだから」

 


......きっと健人くんの特技は、わたしの鼓動を早めることで。だから、こんな風に毎回心臓を高鳴らせちゃいくつあっても足りない。

 


良かったらさ、と健人くんが自宅の扉をあける。ふわり、と漂うその香りはいつも健人くんからするものと同じ。

 

 

「俺の家おいで?あ、もちろん○○ちゃんが嫌じゃなければだけど」

 

 

拝啓神様、ちょっとそれはいくらなんでも急展開すぎやしませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

キミの誘い方 Ⅱ

 

 

カメラマン〇〇ちゃんと風磨くん。激裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


〈.........○○さん、○○さん?〉
『、っへ、ぁ、はい、!』

 

 

不思議そうなスタッフさんの声に我に返る。動揺すればシャッターを切ってしまって。不意打ちなのに、モニターには口を窄めて可笑しそうにこちらを見ているちょっと可愛い菊池さん。
さすがアイドル、なんて。

 


仕事中なのにぼーっとしてしまったのは中島さ、......健人くんが不意に頭を過ぎったせい。あれから2日、与えられた熱も所有印も身体に刻まれたままで。なぜか言い付けを守ってしまって、隠してはいないけど社会人たるものキスマークを見せびらかす訳にもいかず。なんとか襟の浅い服で隠してる。

 

 

『すみません.........』
「もうやだなあ、そんなに俺に見蕩れないでくださいよォ(笑)」
『ふふ、今日は一段とかっこいいんでつい、しっかり撮りますね!』

 

 

菊池さんの細やかな助け舟に冷や汗が引く。
ああ、あとでお礼言わなきゃな。

 

 

『あっ、最後にねずみ年なのでこのカチューシャつけて貰ってもいいですか?』
「うわ、絶対似合わねぇ(笑)」
『わあ、かわいいです!』
「いやもう、そういうの俺騙されないから」
『騙してません!(笑)せっかくなんでここは思い切って可愛いポーズください!』

 

 

菊池さんの撮影は他のモデルさんやジャニーズの方よりラフで。こうやって軽口を叩きながら撮るこの時間が、なんとなく毎月楽しみだったり。

 


可愛いポーズをしながらも照れが見え隠れする瞬間をしっかりと収める。
よし、これでバッチリ。

 

 

 

 

 

 

 


『菊池さん!』

 

 

撮影後、片付けも終えないまま慌てて呼び止める。人気のない廊下には菊池さんとわたしの2人だけ。振り返った黒髪がサラリ、と揺れた。

 

 

「ん、どーしたの」
『あの、さっきすみませんでした、フォローして頂いちゃって』
「あー、それならさ、そっちじゃない方がいいかも」
『、!ありがとう、ございました』
「よく出来ました」

 

 

大きな手がぽん、と頭の上に置かれて。大人っぽい香りが一瞬鼻を掠める。菊池さんっぽい、爽やかだけど色気のある香り。

 


思わぬ距離にたじろぎ視線を落としたわたしは気付かなかったの。
菊池さんの視線がどこに向けられてるか、なんて。

 

 

「○○ちゃんって案外大胆?」
『......はい?』
「ここ、キスマークついてんね」
『ッ、〜〜!これ、は、』
「彼氏?」
『違いま、...あっ......』
「へえ、彼氏じゃない跡つけてんだ?」

 

 

動揺してしまえば嘘がつけなくて。いつ人が来るかも分からない廊下の壁にトン、と追い詰められる。

 

 

「○○ちゃんがそんなえっちな子だったなんて知らなかったなァ」
『っ退けて、ください......』
「ずっと狙ってた子がさ、他の男に唾つけられてるとか、.........すげぇ興奮すんね?」
『?!んう...っ、、』

 

 

舌なめずりをする姿に頭の中で赤いランプがぐるぐると回る。ずっと狙ってたって......、ほんと、に?言葉を噛み砕く間も無く、影に覆われれば細められた切れ長の瞳が近付いて。
2日前、健人くんと重ねた唇を今度は菊池さんに奪われた。

 

 

『ん、......ふ、ッ...、っは、なにして、』
「キスだけでんな声出すから襲われるんじゃない?」
『っ......もう放っておいてください、片付けがあるので失礼します』

 

 

無理に抜け出そうとすれば、足の間に入った膝に阻まれる。キッ、と睨んでも飄々とした表情のまま。

 


"だめ、こっち"、手を引かれ入ったのは普段誰も使っていない給湯室。2人では少し狭いこの空間では、互いの息遣いさえも分かってしまう。

 

 

「ねえ、なにシよっか?」
『ほんと、だめです...、早く戻らなきゃ変に思われるし、』
「あれ、だめって○○ちゃんはなに考えてるのかな〜?」
『!......菊池さんって意地悪なんですね、優しいと思ってたのに』
「男は好きな子に意地悪したくなるもんでしょ?」
『好きな子って......』

 

 

思わず尋ね返せば薄く唇を歪める。トップスの裾から忍び込む手を阻もうとしても上手くあしらわれて。あっという間にホックを外したその手つきは明らかに手慣れている。

 


やわやわと強弱をつけながら膨らみが形を変える。でも肝心な部分には触れず。
それが、もどかしくて。先端のジンジンとした疼きは増すばかりだから。

 

 

『きくち、さ、......』
「風磨、ね、...ちゃんと言えたら○○ちゃんがシて欲しいコトしてあげる」
『、〜!.........ッ風磨、』
「いい子じゃん」

 

 

いい子、なんて。耳奥にねっとりと舌を差し込み、誘導するように仕掛けたのは貴方なのに。全部全部、きっとわたしはこの人の手の中なんだ。

 


つん、と先端を触れられただけで焦らされた身体は反応してしまって。コリコリと指先で弄ばれる。

 

 

『ん、っ...あ、あ......やぁ、』
「嫌ならなんでそんな声出してんの」
『、〜〜!ひぅ、あッ...つねっちゃ、やら、あ...!』
「じゃあちゃんと気持ちいときはきもちいって言えるよなァ」
『言える、言えるから、あ、〜〜!』

 

 

ぎゅう、と軽く抓られ先を磨られれば痛みの代わりに快感が襲う。

 


ズボンを下ろされれば露わになった内股をすー、となぞられる。このまま触れられるのも、......下着をさっきから汚していることがバレるのも恥ずかしくて。最後の抵抗とばかりにグイグイと厚い胸を押す。

 

 

『これ以上はダメです......!』
「んじゃあその跡つけたやつとは最後までシた?」
『.........シ、てない、です』
「ふは、すっげえ嘘下手だね?かーわい、......ねえ○○ちゃん」

 

 

す、と視線が交わる。そして、わたしを虜にしてしまうハスキーボイスが秘密の空間でひっそりと囁いた。

 

 

「俺とはシたくない?」
『ッ、そういうことじゃなくて、』
「...○○ちゃんのこと抱かせてくんない?」

 

 

健人くんがあまく強引なら、風磨は意地悪、だけどこっちをその気にさせて誘導してしまうような、そんな行為。

 


押していたはずの手は、徐々に力を失って。代わりにきゅっと衣装の端っこを掴んだのが合図。ちゅ、と一度唇が重なればそっと下着の中にゴツゴツした掌が忍び込む。

 

 

「ん、ドロッドロ......」
『あ、あ、...!んンん、...っそこ、や、』
「や、じゃなくてなんだっけ?○○ちゃんはいい子だから言えるよなあ」
『〜〜!きもち、い、ぁ、ふま...!』

 

 

"気持ちいい"、そう口にするだけで何故か感度は掛け算になる。さらにトロッと溢れた蜜を蕾に塗りたくられれば限界で。

 


かくん、と足の力が抜けたその時。

 

 

『ひゃぁあッ、〜〜〜?!!あ、っあ......!』
「奥までぐちょぐちょじゃん」

 

 

タイミング良く蜜口に挿入された指は、体重がかかったせいで奥深くまで侵入して。背中がゾワゾワとする感覚。軽くイッてしまった身体はもう風磨に預けるしかない。

 

 

『な、んで、んン...っ......ふ...、〜!』
「あーあ、流石にさっきの声は聞こえたかもな」
『!......んっ、...だ、れに......?』

 


「ここの隣の楽屋、中島だよ」

 

 

うそ、だ、......でも確か、今日は健人くんもこの撮影スタジオにいる日で。風磨がそんな嘘をつく理由なんてどこにもない。
だとしたら、隣にいるのは.........

 


開かれた瞳、ぴくんと揺れた肩、ぎゅう、と締め付けてしまったナカ。わたしの反応に同じように瞳を開いた風磨は、そういうこと、と小さく呟いた。

 

 

「へえ、じゃあ中島とシたんだ?この跡つけたのもアイツってことね」
『ぁ、いっ......、風磨、待って、』

 

 

チクリ、と痛みが襲うのは風磨が横に2つ目の跡をつけたから。くるりと身体を反転させられれば、わざと楽屋がある方の壁に追いやられて。

 

 

「ほら、手ついて」
『や、やだ......!おねが、だめ、』
「むーり、寧ろ聞かせれば?.........相手が中島とかさ、マジで興奮すん、じゃん、!」
『、あ、〜〜!......ッ、ふ、んん、...』

 

 

ぬぷ、と侵入したそれは熱くて蕩けそう。ゆっくりとナカが馴染むまで背中に落とされるキスが心地よくて。

 


必死に掌で口を覆えばぐちゅ、ぬちゅ、と水音をたてながら出し入れされる。

 

 

『ん、.........ンン、っ、ぁ、ッ......』
「っは、○○ちゃんの中あつすぎて俺の蕩けそ、」

 

 

律動に合わせて揺れる膨らみの先端を捉えられ、蕾も優しく擦られれば耐えられない。
びくびく、!と絶頂でナカが収縮すれば、熱い溜息が首筋にかかった。

 

 

「、っく、...ぶね、持っていかれるとこだった」
『ぁ、ふま、も、むり、......!』
「まだイけんだろ」
『〜〜?!、ひ、ッ奥、......っ、〜〜!』

 

 

ぐい、と引き寄せられれば更にお尻を突き出す形になる。不安定な体勢のせいで両手で支えるしかなくて。

 

 

『ン、ぁ、あ、...!あ、...っそこ、きもち、!』
「じゃあもっとトントンしてあげる」
『、でも、声、でちゃ、あ、〜〜〜!』
「はい、とーん、とん、」
『んああ、ッ......ひう、ア、あ、っ...、』

 

 

弱い部分にグリグリと尖端が深く突き刺さる。声が聞こえちゃうんじゃないかと思うと、余計に意識してしまって。自分の声にさえキュンキュン締め付けてしまえばもうどうしようもない。

 


出し入れする度に蜜が散り、太股に伝う。粟立つ肌は限界を知らせて。
大きな波がすぐそこに迫ってきてる。

 

 

『あ、ッ、も......らめ、...イっ、〜〜!』
「っ、ぁ.........でる、」

 

 

風磨が出て行くと同時に、どくどくと吐き出された熱いものがごぽ、と溢れる。ティッシュを充て、掻き出すその指の動きにも感じてしまうのが恥ずかしい。

 

 

『ん、......ぁ、ッ、』
「んなかわいい声出さねーの」

 

 

後処理を終えれば最後に優しく唇が覆われる。口内をゆっくりと味わうように舌が動いて。

 


.........行為のあとにこんなキス、なんて、まるで本当に愛されてるみたい。

 

 

「○○ちゃんまたね」
『......また、です』

 

 

この"また"が何を指すのか。

 


分からないけれど、もうきっと考えてもわたしなんかには分からないところまで来てしまっている気がするの。

 

 

 

 

 


To be continued ... ?

 

キミの誘い方

 

 

カメラマン○○ちゃんと健人くん。激裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


新米カメラマン3年目。まだまだひよっこのわたしが、まさか有名雑誌のメイン企画を任されるなんて。それに、編集長からこっそり聞いた話だと中島さん直々のご指名だとか。

 


中島さんの撮影は何度かさせてもらってるけど...、でもなんでわたし?、とかの疑問は今はさておき。競争率の高いこの世界では結果が全て。与えられたチャンスは必死に食らいつかなきゃ。

 

 

『じゃあ次はちょっと見下ろす感じで、...』
「はい、」
『、!めちゃくちゃかっこいいです!』

 

 

モデルの方を盛り上げるために褒め言葉を欠かさないのは鉄則。だけど、今漏れたのは紛れもなく本音で。唇を薄く開ける中島さんはクラクラするくらい妖艶で、まさに今回のテーマである"オトコの誘い方"にぴったり。

 


思わず前のめりになり、夢中になってシャッターを切った。

 

 

「......そうだ、次は僕が寝転んで逆に女の子が見下ろす側になるのはどうですか?」
『わ、いいですね、やってみましょう』

 

 

そのままベッドに倒れればシャツが捲れ上がり、ちらりとおへそが覗く。カメラ越しじゃないそれは何だか生々しくて。焦って視線を逸らせば、一瞬で熱をもった頬を俯いて隠す。

 

 

「あ、全然遠慮しないで貰って大丈夫ですよ」
『、へ?』
「僕の上、乗らなきゃ撮れませんよね?」
『ぁ......、っ失礼します』

 

 

少し困ったように笑う中島さんに我に返って。......そうだ、照れてる場合じゃない、大体これは仕事なんだから中島さんだって何とも思ってる訳ない。

 


ベッドに膝を乗せればゆっくりと沈み、ギシ、とスプリングが軋む。跨いだ腰はやっぱり細くて。妖艶な雰囲気が漂う撮影現場だけど、相手がVネックのニットにスキニーじゃやっぱり中島さんはなんの色気も感じないだろう。

 

 

『...そのままシャツ肌蹴させてもらって、、あ、凄くいいです、次視線ください』

 

 

それからはもう余計な邪念も無くて。
シャッター音を散らしながら毎秒を切り取る。フレームに収まった世界は妖艶なのに儚げで。中島さんの誘うような熱い視線とカメラ越しに交わった。

 

 

 

 

 

 

 

"Sexy Zone 中島健人様"
と貼り紙をされた扉をコンコン、と叩く。
休憩中なのに訪ねた理由はどうしても次の撮影でやりたいことが出来たからで。

 

 

「どうぞー、」
『失礼します』
「あれ、○○ちゃんどうしたの?」
『ちょっと次のシーンのことで相談が、、』
「そっか、良かった、俺なんか失敗したかと思ってちょっと焦ったわ(笑)」

 

 

砕けた口調も、"俺"の一人称も、それから呼ばれる名前も。オフの中島さんは凄く人との距離を詰めるのが上手な人で。一端のカメラマンにさえ会う度にこんな風なんだから、スタッフからも愛される理由がよく分かる。

 

 

「立ち話もなんだから上がって?今マネージャーも居ないしさ」
『じゃあお言葉に甘えちゃいますね』

 

 

畳の楽屋はもちろん靴を脱がなきゃいけない。いちいちしゃがむのも面倒だし、立ったまま脱いじゃお。そう横着して屈んだのが悪かったのか。不安定になった身体はぐらり、と傾く。

 


転けちゃう......!ぎゅ、と瞼を強く瞑り衝撃を覚悟したその時。

 

 

「...っと、大丈夫?」
『!あ、っごめんなさい、!』
「女の子なんだから気を付けなきゃダメだよ?」
「ッ、ありがとう、ございます......」

 

 

受け止めてくれたその腕は実際に触れると男っぽくて。ドキドキと心臓が脈を打つ。
中島さんにバレちゃう前に離れなきゃ......、そうぐっ、と押した胸はぴたりとも動かなくて。

 

 

『、中島さん?』
「○○ちゃん意味分かってないでしょ」

 

 

まるで、さっきの撮影の時みたいに中島さんの唇がにんまりと歪む。気付けば畳の上で両腕を一纏めにされていて、身を捩り抵抗しても時既に遅しとはこのこと。

 

 

「○○ちゃんってよく隙があるって言われない?こんな風に俺に押し倒されちゃって」
『、揶揄わないでください...!』
「俺の方が揶揄われてるのかと思ったけどなあ」
『え?』
「だってずっとここ、見えてたもん」

 

 

Vネックに指をかければぐい、と下げられる。ピンクの下着に包まれた谷間が露わになり、思わず目を見開く。ちゅう、と軽く吸い付かれればぴくんっと肩が揺れてしまって。

 

 

『ぁ、や、』
「...ね、悦くしてあげるからシよ?」
『無理です、っ!』

 

 

仕事中に楽屋で、なんて絶対無理に決まってる。ぶんぶんと大袈裟に首を横に降って拒否したのに、中島さんは聞く耳なんて持ってない。

 


勝手にぺろんとニットを捲り上げられれば、下着越しに胸の飾りを擦られて。

 

 

『んん、......ッ、中島さ、だめ、』
「撮影中ずっとチラチラ胸見えてるし、○○ちゃんが跨った時マジでいい匂いするんだもん、我慢なんて無理」
『ん、あ、や、こすっちゃ、〜!』
「ふふ、気持ち良さそうな顔してる、...直接触ったらもっと気持ち良くなれるからこれ外そうね」

 

 

ぷち、ホックが外される音と共に浮遊感が襲う。隠すものが無くなった胸に遠慮無く突き刺さる視線から逃れたくて。せめてもの抵抗で顔を横に背ければ、頬に手を添えられ視線を合わせられる。

 


形の良い瞳は、ひどくひどく、扇情的だった。

 

 

「○○ちゃん、俺とちゅーするのやだ?」
『そんな質問、ずるい、、』
「こたえて」
『......嫌じゃ、ない、...ン、』

 

 

言い終わるか終わらないかくらいにあのぷっくりとした唇で覆われる。にゅる、と侵入した舌は歯列をなぞり、口腔内を翻弄する。脳も意思も理性もドロドロにしてしまうようなキス。つー、とスキニー越しに脚のラインをなぞられればもう最後。
......抵抗なんて、したくもないの。

 

 

「ん、そのまま素直になって...」
『、ひぅ、んん、ぁ...!』
「ちょっと触っただけなのにもうここ勃たせちゃってかわいい」
『んぅ、あ、ッあ、中島さ、』
「だめ、名前で呼んで?」
『っけんとく、......!』

 

 

片方の先端を指先で捏ねくり回され、もう片方も唇に含まれる。ちゅ、ちゅ、と吸い上げるようにされれば、我慢しなきゃいけないのに声が溢れちゃう。

 

 

『んう、あ、あ、〜〜!声、きこえちゃ、』
「ここ防音だから大丈夫、もっと○○ちゃんのえっちな声聞かせて」

 

 

手馴れた手つきでするり、と脚からスキニーと下着が抜かれて。

 

 

「ココ、おっきくなってるね」
『ッ、ぁ、わかんない......』
「ふふ、触って欲しくて言ってる?」
『、ちが、〜〜!ひぅ、あ、んンん、!』

 

 

揶揄いの言葉に反論しようと口を開けば、タイミングを突いたように蕾に触れた指がくるくると動き出す。

 


同時にグリグリと太腿に押し付けられたのは、健人くんの熱。衣装を窮屈そうに押し上げたそれにトロリ、と蜜が溢れてしまう。
ッ...、と短く吐かれた吐息は苦しそうで。

 

 

『ぁ、けんとく、あたってる、、』
「あててんの、○○ちゃんがこうさせたんだから」

 

 

直接的すぎる言葉に思わず下唇を噛み締める。
カチャカチャと鳴り響く金属音はやけに生々しくて。

 

 

「挿れるね、」
『っぁ...、ん、〜〜!』
「っなかドロッドロ、濡れすぎ」
『あ、あ、だって健人くんが、......ッ』
「...なに、俺が気持ち良くするから?」

 

 

ぷつん、と理性の切れた音がしたのは健人くんからか、それともわたしからか。
ゆるゆると浅い所を動いていたそれは、一気に早まった腰の動きでずんずんと容赦無く奥を突く。

 

 

「っ...、○○ちゃんが煽ったせいだから...!」
『ふ、あ、ッんん、ーー!』
「ほら、もっと脚開いて、」
『あ、〜〜?!らめ、そこ、やら、、ッ』

 

 

一点に尖端が触れた刹那、脳裏がチカチカとする感覚。意地悪く笑った健人くんが腰を掴み直すのに嫌な予感がして。

 

 

「○○ちゃんのイイとこみっけ」
『、っひぅ、ぁあ、ん!』
「あーあ、こーんなえっちな顔しちゃって......あ、そうだ、」

 

 

思い付いたように健人くんが手を伸ばす。その先にはスマホ。まさか......、

 

 

「俺も○○ちゃんの可愛い顔撮っちゃお」

 

 

ぴろん、と音を鳴らしたそのレンズは乱れるわたしの姿を映していて。
だめ、やだ、こんな姿撮らないで、そう思うのに感度が何乗にもなってしまう。

 

 

『や、んん、っ、撮らな、で、...ッ』
「、○○ちゃん、きもち、?」
『、あ、きもち、けんとく、〜〜!』
「ばっちりカメラに収まっちゃったね、」

 

 

保存を確認すれば満足そうに瞳を細める。チク、と鎖骨の上あたりに鈍い痛みが走れば、咲いたのは健人くんの所有印。

 

 

「そろそろ限界だから...っ」
『ぁ、あ、〜〜っ!』

 

 

膝を折り曲げられればふかくふかく、熱が潜り込む。最奥で触れ合えば足先は勝手に空中を蹴ってしまって。

 

 

『んンん、ッぁ、もう、』
「やば、でる......っ、!」

 

 

どくどくと白濁が注ぎ込まれる。焦って引き抜こうとしても、"だめ、勿体ないじゃん"なんて言われて更に押し込まれて。

 


行為が終われば、健人くんが最後にもう一度優しい口付けをくれる。

 

 

「それ、俺のって印だから隠しちゃダメだよ」

 

 

こくん、と頷いてしまったその返事が。
今後わたしを翻弄するなんて、まだ知らない。

 

 

 

 


To be continued ... ?

 

Christmas story book

 

 

6000over企画のクリスマス短編集。

第1夜 S.S×倦怠期
第2夜 S.M×サンタコス 激裏
第3夜 Y.M×クリスマスの朝
第4夜 F.K×甘々
第5夜 K.N×元彼 激裏

みなさま素敵なクリスマスを‪‪❤︎‬

 

 

 

 

 

Santa Claus won't make me happy / S.S

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年目の12月25日は高級ホテルのレストランの個室でディナー、その後は夜景の綺麗なお部屋であまい時間を過ごす、なんて女の子の夢がいっぱいに詰まったクリスマス。

 


2年目は2人で外に出掛けにくくなったからお家でクリスマスパーティー。勝利の好きな物いっぱい作ったら、全部おいしいおいしいって食べてくれたっけ。

 


3年目は忙しい中で一生懸命時間を作ってくれて。せめてケーキだけでも、と眉を下げた彼が差し出したのはわたしのずっと食べたかったケーキ。

 

 

『あれ、人生で1番美味しかったな......』
「ん、なに」
『、ひとりごと』

 

 

ふうん、と納得した勝利の目線は一貫してスマホのスクリーンに向けられていて。
...もしかしたら忙しい勝利は日にちなんて忘れてるのかもしれない。そんな淡い期待を込めて、ねえ、と呼び掛けてもその目線は相変わらずスマホのまま。

 

 

『ねえってば』
「もうなに、さっき何でもないって言ったじゃん」
『......今日何日か知ってる?』
「今日?」

 

 

怪訝そうな瞳がやっと此方に向けられる。
あれ、最近ちゃんとこうやって目を合わせて話してたっけ。

 

 

「知らない訳ないでしょ、クリスマスなんだから」
『、ぁ、そっか、そうだよね......』

 

 

今わたしは何に対して同調したのだろう。今日がクリスマスだということ?知らない訳がないということ?それとも、クリスマスなのに特別な時間を過ごしていないことか。確かなのは、淡い期待は粉々に打ち砕かれたということで。

 


クリスマスだから絶対何かしたい、とかそういう事じゃないけれど。ただ、何もせずぼーっと家で過ごすだけでも十分だ。
.........もし、2人が想い合っているのならば。

 

 

「なに?何か言いたいことでもあるの?さっきから黙り込んだり喋ったりさぁ、」
『......あるよ』
「じゃあそれを早く言ってってば」

 

 

苛立ったように吐かれた溜息にぐわん、と物理的に視界が揺れる。

 


......4年目のクリスマスは、すれ違って喧嘩して泣いた日になっちゃった。

 

 

『わたし達一緒にいる意味って、あるのかな』
「、、なにそれ」
『そのままの意味だよ...』

 

 

こんなにボロボロ泣いてほんとかっこ悪い、せめて最後くらい笑顔でさよならしたかった。心の中ではそんな風に強気に思えるのに、口から飛び出す言葉は弱々しく震えた弱音ばかりで。

 

 

『も、勝利と一緒にいる意味分かんないよ、!勝利も、そうでしょ、ッ、わたしと居たって、ちっとも意味無い......っ』

 

 

堰を切ったように溢れる涙も言葉も、止めたのは勝利のあたたかな温もり。嗅ぎ慣れた香りと強く回った腕に抱き締められてると気付く。
どうして、どうして今になって抱き締めるの、、

 

 

「俺は、」

 

 

すう、と一度大きく息を吸った勝利が身体を離す。アーモンド型のくっきりとした瞳は真っ直ぐで、真剣で。心臓の核を射抜かれてしまえば、くるりと後ろを向いた勝利がクッションの辺りから何かを手にし、こっちを向き直した。

 

 

「俺は○○が好きだから○○の隣にいたい、だから意味はあるよ」
『ッ、......』
「不安にさせてごめん、でも○○のこと好きな気持ちは今もこれからもずっと変わらないから」

 

 

そう差し出されたのは、小さな正方形の箱。真っ赤なリボンを解いて開けたそこには、お揃いのデザインでピンクゴールドとシルバーの2つの輪っかが仲良く並んでいた。

 

 

『勝利、これ...!』
「クリスマスプレゼント、、なんだけど、この間雑誌で見てたのってそれで合って、ますか?」

 

 

何故か敬語だし、不安そうに上目遣いで見つめる勝利が可愛くて。思わず抱き着いて薄い唇に自分のそれを重ねれば、一気に耳が朱に染まる。

 

 

『ちゃんとわたしのこと見ててくれたんだね、ふふ、ほんとに嬉しい』
「当たり前でしょ」
『ねえ勝利、』
「ん、なに」

 

 

さっきと同じような返事。でも、全然違う。

 

 

『大好きだよ』
「、〜!可愛すぎるから、......」
『えっ、待ってもう1回言って!もう1回!』
「言いませーん」

 

 

きゅひ、といつもの笑い方をする勝利の傍にずっと居たい。
わたしを幸せにできるのはトナカイでもサンタクロースでもなくて、勝利だけだもの。

 


4年目は、とびっきり愛おしいクリスマス。

 

 

 

 

 

 

 

 

With a toy on Christmas Day / S.M

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『聡くんお待たせ〜』
「、えっ、待って待って」
『ふふ、○○サンタさんがケーキのお届けに来ました!』
「○○ちゃん可愛すぎるんだけど!どうしよう、可愛い、、とりあえず写真撮ろ!写真!」

 

 

主役のはずのケーキには目もくれずいそいそとアプリを起動させる聡くんに思わず笑っちゃう。やっぱり恥ずかしくてギリギリまでサンタコスするか悩んだけど、こんなに喜んでくれるならやって良かったな。

 


それにいざ着てみたら浮かれちゃうのが女の子という生き物で。オフショルダーのふわふわとか、普段履かないくらいの丈でひらひら揺れるスカートとか、やっぱり可愛い。

 

 

「○○ちゃん、あーん」
『ええ、恥ずかしいよ、、』
「誰も見てないから!ね!」
『......あーん』

 


口の中であまい生クリームが蕩ける。ぱく、と苺を食べた聡くんの頬がゆるゆると緩んで。

 

 

「幸せだな〜」
『ね、ほんと美味しい』
「ケーキもだけど、○○ちゃんとこうやって過ごせて幸せだなって意味だよ?」
『...わたしだよ、......だってこんなに好きな人とクリスマス過ごせるんだもん』

 

 

普段なかなか言えないような言葉がぽろっと零れてしまうのはきっとクリスマスの魔法。

 


フォークを奪われ驚いていれば、視界が一転して。サンタ帽がぱさ、と音を立てて床に落ちる。

 

 

「もう、まだ我慢するつもりだったのに」
『、聡くん、ケーキ』
「ケーキもいいけどかわいいかわいい○○ちゃんが食べたいの、だめ?」

 

 

だめかと聞く癖に、優しく頬に手を添えて、こんな風に唇を重ねられたら、...そんなの、

 

 

『だめじゃ、ない』

 

 

 

 

 

 

 

『んん、あ、...っ』
「今日どうしちゃったの?下着もう湿ってるけど」
『言っちゃ、やだ、あ』
「サンタコスで俺に抱かれて興奮してるんでしょ」

 

 

オフショルをいいことにズラされ露出した先端に舌が這う。まだ少し舐められただけなのに、確認するように触れられた下着はびっしょりとした感覚。

 


聡くんの言う通り、興奮してるのかも。
それはこの非日常だけじゃなく、いつも以上にオスな聡くんに対しても。

 

 

『ん、聡く、もう下触って欲し、...』
「かわい、、えっちなサンタさん」

 

 

ふわふわとした髪を耳に掛けて色気をダダ漏れにしながら口端をあげる聡くんに胸の奥がぎゅん、とする。中途半端に服を着たまま下着だけ抜かれるのは恥ずかしくて。もじもじと膝を擦り合わせれば、強引に脚が開かれた。

 

 

「ふふ、とろっとろだね」
『、ん、〜!ああ、っあ...』
「○○ちゃんの好きなトコいっぱい触ってあげる」
『んンん...!ひぅ、ッ、そこ、きもち、〜』

 

 

蕾の先端、わたしの特に弱い部分を蜜を纏ったぬるぬるの指で磨られれば腰が浮いちゃう。
まるでおねだりしてるみたいで、嫌なのに身体は言うことを聞いてくれない。

 

 

「もっときもちよくなろっか」

 

 

す、と腰を支えられたかと思えば唐突にぬるりと侵入した指。それは締め付ける狭いナカをグチグチと動く。お腹の裏側を引っ掻かれれば気持ち良すぎて。

 


可笑しくなりそうなくらいきもちくて、こわい...... ぎゅっと瞼を瞑って暗闇の中へと逃げ込めば、額に触れたのは唇の柔らかな熱。

 

 

「○○ちゃん、」
『聡くん、...』
「そう、大丈夫だからちゃんと俺のこと見てて」

 

 

愛しさの詰まった瞳に安心する。見つめ合いながら身体の力を抜けば、一気に絶頂へと飛ばされた。

 

 

「おいで?」
『っ、この体勢むりだもん、、』
「なーんで、」

 

 

胡座をかいた聡くんの上に座るように誘導され、ふるふると首を横に振る。膜を纏った聡くんのそれは、......いつもより、おっきくて。
それに加えてこの体勢なんて、奥まで届いてまた怖いくらいに気持ちよくなっちゃう。

 

 

「○○ちゃん、サンタさんなのにプレゼントくれないの?」
『う、、ゆっくりシてくれるなら、』
「ほら、おいで」

 

 

そんなえっちなプレゼントサンタさんがあげる訳ない、だとかそんなこと突っ込む余裕はない。

 


そろそろと跨れば、可愛らしい顔つきとはギャップのある男らしいあの手が腰を支えて。ぐちゅ、と音をたてながら挿入ったそれは一気に奥まで届いた。

 

 

『、あ、〜〜!』
「っ、ね、締めすぎ、」
『だって、奥まで、とどい、て、』
「こんなに触れ合ってるもんね」

 

 

グリグリと最奥と尖端が深いキスをするように混ざり合う。身体の芯からとろとろになって、首に必死で腕を回す。

 


一体、細い身体のどこからそんな力が湧くんだろう。身体ごとあげておとされれば、ぬぷぬぷと激しく出入りする。

 

 

『ああ、ん、!ひ、あ、ァ...っ』
「はー、かわい、喘いでる○○ちゃんってほんとかわいい......」
『〜〜っ、やあ、!おっきくなって、』
「腰ビクビクしてる、イきそう?」
『ん、あ、も、イっちゃ、』
「、ぁ、っ、一緒にイこ?」
『いっしょ、が、い、...』

 

 

予感に震える足を腰に回す。所謂だいしゅきホールド、と巷で言われるそれは確かに聡くんのことが大好きで堪らないからで。

 


自然と重なりあった口の中で舌が絡み合い、どこもかしこも混ざってひとつになる感覚。

 

 

『そうく、ッあ、〜〜〜!』
「く......、」

 

 

ぱちん、と頭の中が白く弾ける。最後に見た聡くんの表情は、やっぱり愛おしくて堪らないと言っているようで。

 

 

『聡くんのこともっともっと幸せにするね』
「ちょっと、○○ちゃんそれ俺のセリフじゃない?(笑)」
『えー、だってわたしサンタさんだもん』

 

 

今宵、あなただけのサンタさんがプレゼントするのはクリスマスのおもちゃじゃなくて、

 


とびっきりの幸せ、なんて甘すぎるかな。

 

 

 

 

 

 

I just want you for my own more than you could ever know / Y.M

 

 

 

 

 

 

 

 


「......ちゃん、○○ちゃん、」

 

 

どっぷりとした泥の底から起き上がるような感覚。昨日はクリスマスイブだっていうのにレポート徹夜でやったんだから、もう少し寝かせて、、

 


まだ微睡む意識の中でんん、と唸れば暖かな体温にふわりと包まれた。
なんか、マリの匂いがする。

 

 

「だって僕が抱き締めてるもん」
『ん、、......えっ、マリ、?なんで?』
「もう○○ちゃん何度声掛けても起きないんだもん、眠り姫かと思っちゃった」
『っあ、待って待って、すっぴん、!』

 

 

慌てて布団を被りひょこっと目だけ出せば、すっぴんもかわいい、と柔らかな茶色の瞳が垂れる。

 

 

『クリスマスは仕事だから会えないんじゃ、』

 

 

そう素直な疑問が口から飛び出せば、マリはふふん、と得意げな顔で。

 

 

「んふ、サプライズ!びっくりした?」
『も、嬉しすぎるよ......、』
「かわいい○○ちゃんのところにサンタさんが来ない訳ないでしょ?」
『ふふ、じゃあマリがサンタさんからのプレゼントだね』

 

 

ぎゅう、と広い背中に手を回して抱きつく。本当は、クリスマスは仕事って言われた時残念で、寂しくて。でも仕方ないよね、って我慢して言い聞かせてたぶん幸せで仕方ない。

 


頬をするり、と撫でたその瞳は愛おしさに溢れていて。本来2つも年下のはずのマリは最近やけに大人に見える。溢れ出る色気というかなんというか...... 段々近づいてくる長い睫毛につられて目を閉じかけてハッとする。

 

 

『こら、だめでしょ!』
「...残念、惜しかったのに」
『ちゅーは20歳になるまでしないって決めたでしょ?』
「じゃあ20歳になったらいっぱいできるね?」
『、〜〜!』

 

 

まったく、年上の余裕もないのがちょっぴり悔しい。

 


火照った頬を冷まそうと起き上がったその時、ガサ、と手が何かに触れる。ん?と振り返ったそこには真紅のリボンに包まれたいくつもの小包。

 

 

『え、!......っ、マリだいすき!』
「、ぉわ、ふふ、サンタさん来て良かったね○○ちゃん」
『うん!開けてもいーい?』
「サンタさんがいいって!」
『えー、マリ、サンタさんと話せるの?』

 

 

お茶目な返事に思わず頬がゆるゆるになって。ドキドキと胸を踊らせながらリボンを解く。その中身はわたしの好みド真ん中の赤のニットのワンピース、ふわふわのマフラー、ずっと憧れだと言っていたブランドの靴、それから......

 

 

『、!可愛い、、』
「お店で見つけた時、絶対○○ちゃんに似合う!って思ったの」

 

 

ゆらゆらとチェーンの真ん中で揺れるのは、雪の結晶のチャーム。窓から差し込んだ朝の光にキラキラと反射したネックレスは、本当の雪みたい。

 

 

『マリありがとう、......ほんとに嬉しい、』
「じゃあ今日はそれ着て遠くまでお出掛けしよ、僕にエスコートさせてくれる?」
『ん、喜んで!』

 

 

久々のお出掛けに心が踊る。どうしよう、このワンピースならマフラーもあるし、髪はアップの方がいいかな?そうだ、コートはあれを合わせて......

 

 

「○○ちゃん、」
『ん?』

 

 

考え事をしたまま振り向けば、思ったよりもマリの顔が近くて。どくん、と一度心臓が大きく跳ねる。咄嗟に身を後ろに引いても、腰に当てられた手に阻まれれば、起きた時のようにまた二人の距離が10cm、5cm、......と近付く。

 


......だめ、キス、しちゃう。
瞼を強く瞑った刹那、ちゅ、とリップ音が響く。触れたのは、唇の横すれすれの場所。

 

 

『、へ?』
「あれ〜○○ちゃん、もしかして今キスすると思った?」
『...!』
『だーめ、僕の誕生日までお預け、でしょ?』

 

 

ぱちん、と悪戯にウインクを飛ばすマリ。
完全に揶揄われた、、頬を膨らまして拗ねたフリしてみても、いつまで経っても頬は桃色に色付いたままで。

 


......どうしよう、わたしの方がもしかしたら我慢できないかも。

 


わたしだけのマリが欲しいんだ、それはきっと、君が思ってる以上。

 

 

 

 

 

 

 

Make my wish come true / F.K

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスマスには到底不相応なスーツは煌びやかな街の中でなんとなく浮いてる気がする。

 


別にわたしだってこんな日まで仕事がしたかった訳じゃない。......ほんとは、彼氏とゆっくり家で過ごして甘い時間を過ごしたかった。
ただ、ここ数年仕事に生きてきたわたしに彼氏なんて存在いるはずもないんだけど。

 

 

『あーあ、サンタさんがいるならわたしの願い叶えてくれたらいいのに』
「知ってる?サンタさんって良い子のとこにしか来ないの」
『そっか、じゃあ風磨のとこには来ないね』
「おい、ざけんな(笑)」

 

 

憎まれ口を叩く隣の男は、入社当時からの同僚で。顔良し性格良しな彼もまた恋人がいないのは、多忙な仕事のせいだと勝手に思ってる。

 

 

『ほんとカップルばっかだね』
「そりゃクリスマスだしな〜」
『はあ、いいなあ......』
「なに、彼氏欲しいの」

 

 

ちらり、と切れ長な瞳が此方に向けられる。
その表情は、なんだか怪訝そう。

 

 

『まあ、、欲しいっちゃ、欲しい』
「ふーん...」
『わたしだってお家で好きな人とゆっくり過ごしたいし、ケーキ食べたりしたいもん』
「それってさ、」

 

 

そう言った風磨の手が合わさって。幸せそうに歩く恋人たちと同じように手が繋がれる。

 


突然の出来事に心臓も頭もついていけない。
えっ、と、......なん、で?
動揺を隠せず狼狽えていれば風磨が立ち止まる。目の前には、様々な電飾とオーナメントで彩られたおっきなツリー。

 

 

「○○のこと好きな人じゃダメなの?」
『、え......?』
「だめなのって聞いてんだけど」
『だ、だめじゃない、けど』

 

 

すっごく寒い筈なのに、繋がれた手も火照った頬も熱くて。ぐい、と手を引かれれば思っていたより厚い胸へと飛び込んでしまう。香るのは、いつもこっそり好きだと思っていた風磨の匂い。

 

 

「...じゃあ、俺にしとく?」
『、、なにこの告白の仕方、ずるすぎるじゃん』
「好きになりそう?」
『......教えないもん』
「いーよ、すぐ○○に好きになって貰う自信あるし」

 

 

会社や普段とは違う、うんと甘くて蕩けてしまいそうな声色。表情だって、見たことがないくらいに優しくて。

 


風磨の言う通り、きっとわたしはすぐ好きになってしまうんだろう。

 

 

「返事聞かせてくんない?」
『えっ、と、わたしで良ければお願いします』
「俺は○○だけがいいの」
『、〜!砂糖吐きそ、、』
「んは、いや?(笑)」
『......ううん、嬉しい』

 

 

こんな風に抱き合ってても、誰も気にしないのは今日が愛に溢れる日だから。

 


腰に回った手がさらに身体を密着させ、頬をするりと撫でられれば胸の奥がぎゅん、と締まる。風磨の気持ちに応えたくて、少しでも心の変化を伝えたくて、コートをちょこんと握った。

 

 

「.........かーわい、」
『ん、、』

 

 

一瞬だけ、軽く触れ合った唇はいつまでも余韻に浸るようにふわふわとする。
身体を離した風磨は今更ながら耳を紅くしていて、....ギャップ萌えって、こういうことか。

 

 

『耳真っ赤だよ、ふーまくん』
「っ、うるさ、......あーあ、もうケーキ買って帰んのなしな」
『えっやだやだ!ごめんなさい風磨様!』
「はいもう遅い〜、無理〜」

 

 

意地悪なこと言う癖に、歩き始めれば今度は指が絡んで所謂恋人繋ぎになる。
素直じゃない彼は、きっと今からケーキ屋さんに寄って、一緒にショーケースを覗いてくれるんだろう。

 


見渡したクリスマスの明かりは、さっきよりもキラキラを纏っていて。
それは今日が過ぎても、きっと2人の記憶の中で愛おしく光り続ける。

 

 

 

 

 


 

All I want for Christmas is you / K.N

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雑踏や車の騒音だらけの味気ないいつもの帰り道。でも今日だけは、定番の曲が流れ街路樹にはオレンジ色の光が灯っている。

 

クリスマスに欲しいのはあなただけ、か......

 

テレビで流れてきたこの曲に反応して、"クリスマス何しよっか!"とウキウキを隠しきれない様子で彼が言ったのはもう3ヶ月前のことで。

 

些細な喧嘩は大きなすれ違いに繋がった。あの時もっとこうしていれば、なんて後悔しても遅くて。過ぎ去った日々はモノクロだ。

 

結局、今年のクリスマスは1人になっちゃった。
......健人くんと過ごしたかったな、、

 

 

「...○○?」

 

 

だから、冬風に乗って聞こえた声はただのわたしの願望。幻聴って、わたしはどんだけ健人くんのことが好きなのか、自分で呆れちゃう。

 

 

「、待って、○○!」
『っきゃ、、けん、...!』

 

 

進路とは逆の方向に引かれた右腕に驚けば、大して変装もしていない健人くんに思わず名前を呼び掛ける。同じように健人くんも偶然すぎるこの状況に驚いていて。目深に帽子を被り直せば、"こっち、"と傍に止めてあった車に誘導された。

 

 

「ごめん、いきなり」
『いや、えっと、全然大丈夫......、』
「見つかる前にとりあえず車出していい?」

 

 

こくん、と頷けばゆっくりと走り出す。ラジオからは、やっぱりあの曲が流れていて。
さっき思い出したのも相まって、無言な状況が気まずい。

 

 

「この曲、前にテレビで流れてたよね」
『えっ、覚えてるの......?』
「当たり前じゃん、○○とのことなら何でも覚えてるよ」

 

 

赤信号、ブレーキを踏む。
向けられた表情は何処か切なくて。だけど、やさしく、大切そうに放たれた言葉に淡い期待が芽生えてしまう。

 

 

「あの時○○なんて答えたか覚えてる?」
『うん、』

 

 

クリスマス何しよっか、そう訪ねた健人くんに対してわたしはあの時こう言ったんだ。

 

 

『"健人くんと一緒に過ごしたいな"』
「...それって今でも有効?」
『!、...けんとく、と一緒にいたい、クリスマス終わっても、いっしょがい、......っ』

 

 

ぽろぽろと零れ落ちた想いと雫を堰き止めたのは、重ねられた唇。微かに触れ合ったまま、健人くんの吐息が掠める。

 

 

「俺のとこに戻ってきて」

 

 

青信号、また2人の道が交わり時を重ねる。
そしてゆっくり、歩幅を合わせて歩み出すの。

 

 

𓂃𓈒𓏸

 

 

それから。
健人くんのお家へ連れて帰ってもらったのはいいんだけど......

 

 

『ねえ健人くん、もう1時間もそうしてるよ?』
「だって久々の○○だよ、離れたくないじゃん」
『それは嬉しいけど、』
「...なに、○○は俺から離れたいんだ?」

 

 

ぐりぐりと甘えるように首元に頭が押し付けられる。2か月前とは色の変わった髪がサラサラと首に当たって擽ったい。後ろから回った腕がぎゅう、とお腹のあたりを拘束していて、素直に甘えてくれる健人くんが可愛くて仕方ない。

 

 

『離れたいわけないもん』
「ん、もう二度と離さないから安心して」

 

 

向かい合うように抱き直されればちゅ、ちゅ、と口付けが瞼や頬、額、そして唇に降る。僅かに開いた隙間から侵入すれば、久々の口付けだというのに遠慮のない舌に翻弄されて。

 

 

『ん、っふ、、っちゅー、久々だから、』
「ねえそれ誘ってんの?」
『、ちが』
「でももう俺誘われちゃったから、......抱かせて?○○、」

 

 

疑問系の癖に、お姫様抱っこで抱き上げられればベッドへと運ばれる。まったく、相変わらず人の話聞かないんだから。まあ、結局わたしだってそんなところも好きなんだけど。

 

 

「俺も好きだよ」
『えっ、声にでてた?』
「ううん、顔見ただけで分かるよ」
『...うん、健人くんだいすき』
「2ヶ月分、たっぷり愛させて」

 

 

𓂃𓈒𓏸

 

 

「相変わらずすぐ感じちゃうね?」
『ん、あ、あ、...!』

 

 

クロッチの横から忍び込んだ長い指は濡れそぼった花弁に触れて。やさしくそっと撫でられれば、もどかしい刺激に腰が揺れてしまう。

 

 

「腰揺れてる、えっちだね」
『や、言わな、で、〜!』
「ほんとに言って欲しくない?でも今もっと濡れてきたけど、...ほら、とろっとろ」
『あ、ひぅ、ッ......んん、』
「ね、○○のココもっと愛してあげたいからおねだりして」
『んンん、もっと、さわ、...ひあ、!』

 

 

すっと意地悪く瞳を細めればつぷ、とナカに指が侵入する。焦らすように浅い所を行き来されれば苦しくて。涙の膜で健人くんがぼやける。

 

 

「そんなのでいいんだっけ?それとも忘れちゃったのかな」
『あ、言う、言うから、やめ、〜〜っ』
「だーめ、このまま言ってごらん」
『あ、っけんとく、の指、で、○○のぬれてるとこ、こすって、?』
「......はあ、かわい、」

 

 

短く息を漏らせばぐちゅ、と音を立てながらザラザラした部分を擦られる。同時に散々焦らされた蕾も優しく磨られれば耐え切れなくて。

 


びくびく、!と大袈裟に震えた腰が果てたことを知らせる。余韻に浸るなかで、激しく貪るように唇が混ざり合い、そこから蕩けてしまうような感覚。

 

 

「もっといっぱい愛してあげなきゃね」
『あ、待っ、〜〜!んああ、ッ、ふ...!』
「きもひ、?」
『しゃべ、ちゃ、やら、あっ』

 

 

蕾がザラザラとした感覚に包まれ、揺さぶられる。話す度にカリッと当たる歯に肌が粟立って。ちゅう、と唇全体で吸われればまた絶頂を迎えてしまう。

 

 

『、あ、〜〜〜!』
「○○のえっちな蜜でベタベタになっちゃった」

 

 

荒く手の甲で濡れた口周りを拭う。
それをねっとりと見せ付けるように舌を這わせる健人くんは、悪魔的に妖艶。
ゾク、と膣が疼く感覚に思わず首へと腕を回す。

 

 

『も、健人くんが欲しい、、』
「、〜!...俺も早く○○とひとつになりたい」

 

 

素早くゴムを装着した自身が2ヵ月ぶりのそこへと分け入る。ピリリ、とした痛みさえも愛おしい。入りきった頃には健人くんもわたしも、息をきらしていて。

 

 

「、キッツ、、」
『ん、あ、......』
「ごめ、優しくするつもりだったけど無理かも、」
『ん、健人くんの、すきにして、?』
「っ、だから煽んな、」
『ひぁ、あァッ、んう、ん、!』

 

 

緩くピストンしていれば、理性の糸が切れたかのように激しく突き上げられる。だけど、ちゃんとわたしの気持ちいところに触れていて。膝裏を肩にかけられれば更に奥へと侵入する。
トントン、と子宮口と尖端が愛し合えばドロドロに溶けてしまう。

 


すき、だいすき、ありふれた言葉じゃ足りないくらい、もっと健人くんが欲しい。

 

 

『あ、あ、けんとく、すき、すき、〜!』
「っ...はあ、俺も、愛してるよ、」
『ずっと、ン、いっしょに、いてっ、?』
「、大丈夫だよ、離さないから」
『あ、も、ーーーッ』
「ん、俺も、.........っでる、」

 

 

意識がふわふわとした白いシーツの海に包まれる。傍で触れるのは、ずっとずっと恋しかった温もり。

 


愛してる、ともう一度だけ呟いた唇が重なる。
それはまるで、聖夜の誓いのキスだった。

 

 

 

 

 

 

FIN ✩.*˚

 

 

盲目的レモネード

 

 

年下勝利くんと家庭教師○○ちゃん。

激裏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友人にどうしても、期間限定でいいから!、と頼まれた土日だけの家庭教師のアルバイトで、わたしと勝利くんは出会った。

 


初めて視線が交わったあの刹那、ぱちん、とシャボン玉が弾けるような感覚に陥った。実際弾けたのは、理性だったり常識だったけど。今まで積み上げてきたわたしを崩してしまいそうなくらいには、勝利くんは美しく、時に危うい。

 

 

 

 

 

 

 

「○○さん、いつになったら俺のこと本気にしてくれるの?」
『......勝利くん、君は何歳?』
「17」
『わたしは17歳なんてとっくの昔』
「それが何なの?」

 

 

平然と嘯くこの子は法律を知らないのか。この世にはわたしたちを守り、縛るルールがある。生きていく上で決して侵してはならない境界線。

 


わたしと勝利くんの真摯な気持ちによる愛情表現だって、世間は"淫行"に換算してしまう。

 

 

『...高校とかに良い人いないの?同年代の子の方が可愛くて若いでしょ、』
「俺は世界中どこ探したって、もう○○さん以上の人なんていないと思ってる」

 

 

ほんとだよ、そう重ねられる手は会社の同僚たちとそう大差なくて。すっかりゴツゴツした男の人の手なのに、どうして勝利くんはまだ17歳で、どうしてわたしは大人なんだろう。咄嗟に手を引けば、しゅんと勝利くんの瞳に寂しさが宿った。

 


ほんとは、わたしだって勝利くんのその手にもっと触れたい。......手だけじゃない、幼さがまだ滲むその綺麗な頬を撫でてみたい。まだ誰ともキスしたことがないと言った、薄い唇に自分のそれを重ねたい。
そんな汚い大人の欲塗れなの。

 

 

『とにかくわたしは勝利くんには相応しくないから』
「それは俺が決めることでしょ?」
『っ、そうだけど...』
「ねえ○○さん、こっち向いて」

 

 

やけに今日は1歩も引かなくて。有無も言わさぬ声に渋々横を向けば、真っ直ぐな視線に囚われる。

 

 

「俺は○○さんのことが好き」
『う、ん......』
「○○さんは?俺のこと1ミリも好きじゃない?...もし好きじゃなくて迷惑なら、もう二度と困らせるようなことは言わない」

 

 

強く握られた拳はぷるぷると震え、勝利くんの想いが痛いほど伝わる。伝わるから、嘘が吐けなくて、嘘を吐きたくなくて息が苦しくなる。

 

 

『迷惑じゃ、ないよ、、』
「じゃあ、好きかどうかは?」
『それは......、』

 

 

教えて、と切なそうに眉が歪められて。きっとわたしも同じような顔をしているんだろう、だって、同じ気持ちなんだから。

 


好き、と本当に小さく、聞き取れるかどうか不安になるくらいの呟きを零した瞬間、一瞬息が止まる。その原因は、勝利くんがわたしを強く強く抱き締めたせい。

 

 

「やっと聞けた、、」
『分かってたの?』
「だって○○さん分かりやすいもん、でも○○さんの口から聞けるってこんなに幸せなんだね」

 

 

唇を窄め幸せそうに蕩けた顔で勝利くんが笑う。こんな顔が見れるなら、勝利くんを独り占めできるのなら、退屈な世のルールからはみ出すことなんて大罪じゃない。

 


惹かれ合うように近付き、その距離はゼロになる。ずっと触れたいと思っていた頬は女の子みたいにすべすべで、重ねたいと思っていた唇は飲んでいたレモネードのせいかあまい味がした。

 

 

「ん、っ○○さん...!」
『、ふ、、ッんう、』

 

 

酸素を求めて開いた隙間から舌が入り込む。最初は探るように口腔内をなぞっていたそれは、次第にくちゅくちゅと水音をたてながらわたしの舌を弄んで。

 


これが初めてのキス、って本当に?
そう思ってしまうくらい上手な舌遣いに身体の力が抜けてしまう。

 

 

「ねえ○○さん、シたい、だめ...?」
『ん、どうしようかな、、』
「お願い、○○さんにもっと触れたい」

 

 

悪戯っ子で無邪気な普段とは違う、妖艶すぎる台詞と表情に酸欠の頭はクラクラして。もうわたしにはない直球な想いに思わずこくん、と頷く。

 


横にあるベッドになだれ込めば、柔軟剤の中に混ざるのは、男の子っぽさだったり制汗剤の匂い。......なんだかすっごく、イケナイことしてる気分。

 

 

『、勝利くん、触って...?』
「!......も、止まんないから覚悟して」

 

 

高揚した気持ちのまま、勝利くんの手をそっと中に忍ばせ胸に押し当てる。熱の篭った吐息が唇にかかればそのまま覆われ、堪らないというように膨らみを包む手が動いた。

 


少し荒い手つきから勝利くんの興奮が伝わって、堪らず嬉しくなってしまう。

 

 

「ここ下着の上からでも分かるくらい勃ってる、○○さんも興奮してくれてるの嬉しい...」
『あ、や、触っちゃ、』
「そんなの無理って分かってるでしょ」

 

 

ぷちぷちとシャツを肌蹴させられれば、全部露になって。思わず腕で隠せば、すぐさまその腕は一纏めにされた。

 

 

『、〜!や、だ』
「.........涙目反則、可愛いです」

 

 

ああ、そういえば初めの頃も勝利くんこんな風に顔を真っ赤にさせて敬語で喋ってたな。動揺した勝利くんが可愛くてくすり、と笑ってしまえばムッと唇を尖らせる。

 

 

「○○さん余裕だね、ちょっとムカつく」
『ぁ、ひゃ、ん...っ、なん、で』
「いつも俺ばっか○○さんに夢中だから、」

 

 

きゅっと先端を摘まれただけで敏感に腰が揺れる。そのまま赤い舌と唇にちゅう、と吸われれば、コロコロと転がされて。甘噛みされれば腰がビリビリする、...ほら、わたしだってこんなに余裕ないよ。

 

 

『ん、あ、わたしも、しょりくんで、いっぱい、ッだもん、!』
「ほんとに?」
『ひぅ、〜〜っ、ほん、とだか、らあ』
「じゃあもっといっぱいになって」

 

 

既に湿っている下着の中に侵入した指はくちゅ、と音を奏でる。濡れてることを確認するように蕾がするっと撫でられれば、満足そうに勝利くんが笑って。

 


そのアンバランスな妖艶さと無邪気さの依存性は、きっととっても危険。

 

 

「どうするのが気持ちい?」
『んぁあ、っ、んう、それきもち、ァ、』
「俺で濡れてる○○さんかわいい...」

 

 

蕾を優しくぐりゅぐりゅと押し潰すその手つきは初めてには思えないほど悦くて。根元をぎゅ、と摘まれれば軽く達してしまう。

 

 

『っあ、〜〜!...ふ、』
「イっちゃったの?」
『、聞かないで......』
「んふ、だって嬉しいんだもん」

 

 

すりすりと柔らかな髪が胸に擦り寄せられて、胸が爆発しそうなくらいにあまく苦しくなる。これが母性本能ってやつか、、

 

 

「ね、○○さん」
『ん、なあに』
「もう○○さんが欲しい、」

 

 

そう太腿に押し当てられたのは、熱く硬くなった勝利くんのそれ。熱の篭った視線とかち合えば、それだけでとろり、と蜜が溢れかえる。

 

 

『ぁ、っ、おっきくなって、』
「......ねえ、いい?」

 

 

催促するようにぐりぐりとあてられるそれ。そんな風にされたら欲しくなるに決まってるのに、勝利くんってずるい。

 


そして勝利くんの思うがままに、
わたしは陥落した。

 

 

『ん、きて、、』

 

 

入口にあてられればぬるぬると愛液で滑らせる。たまに入りそうになるそれに、焦らされてる気分になって。ぬぷ、と狭いソコに侵入した熱に思わず締め付けてしまう。

 

 

『、あ、〜!おっき、むり、』
「だめ、ちゃんと○○さんの中にいれて、?」
『ひぁ、あ、んう、、ッ』
「、キツ......はあ、ヤバ、、」

 

 

やっと入りきった勝利くんのそれは可愛い顔に似合わず、その、......おっきくて。ちょっと吃驚したけど、その事実を知ってるのもわたしだけ。

 


既に奥まで届くそれにビクビクと跳ねる腰。1度頬を撫でられただけで切なく胸がきゅう、と締め付けられる。

 

 

『勝利くん、すき......』
「、、ほんと一生敵わない気がするんだけど」

 

 

譫言のように囁いた愛の言葉に、猫みたいに大きな瞳が揺れる。微笑んだ勝利くんは、見惚れてしまうくらいに綺麗で。

 


ゆらゆらと動けば、良い所を探すようにいろんな場所を突かれる。ぐい、と腰を逃げないように固定されればコツコツと当たったことのない奥に勝利くんが触れた。

 

 

『あ、あ、......!ん、ッ、そこ、』
「ここ?」
『、〜〜!そこ、はじめてだから、やらあ!』
「っ、○○さんの初めてもちょーだい、」
『ひゃ、ああ...、ッ〜!』

 

 

キスを強請って首に腕を回せば、気持ちが通じたのか唇が触れる。欲望丸出しのキスは決して最初ほど上手ではなかったけど、それは勝利くんがわたしでいっぱいなのを表してるみたいで。

 

 

『ん、ふ、......あ、!〜〜、も、』
「○○さん好きだよ、だいすき、○○さんのためなら俺何でもできるから、」
『しょり、く、...っ』
「だから、俺から離れないで」

 

 

その言葉にぎゅう、と一際締め付ければビクビクと身体全体が震える。

 


肌が粟立つのは絶頂寸前だからか、それとも幸せすぎて、なんだろうか。

 

 

『、...イ、っちゃ.........』
「俺も、......っでる、」

 

 

小さく呻いた勝利くんが自身を引き抜けば、こぽ、と音をたてて泡立った蜜がシーツに落ちる。

 


その様子に生唾を飲む勝利くんの喉仏をじっと見詰めていれば、唐突に唇を奪われて。

 

 

「○○さん、もう1回シよ?」
『、えっ、むりだよ、...!』
「だめ、健全な男子高校生の性欲舐めないで」

 

 

有無を言わさないように長い指が蜜壷に侵入する。さっき見つけた弱い部分を刺激する指に、声が抑えきれない。

 

 

「かーわいい、んふ、幸せ」

 

 

どんな日々や壁がわたしたちを待っているのかは分からない。けど、やっぱり君がいるなら何だって平気だと思えてしまう。

 


それは浅はかな間違いなのか、はたまた純愛なのか、今はもう分からないけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天秤は傾く

 

 

風磨くんとマッサージから始まる...♡

激裏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「○○ちゃんおいで〜」

 

 

さっきから寝室に篭もっていた風磨くんに呼ばれて行けば、ベッドの上にはバスタオルが敷かれていて。なにこれ?それに風磨くんが○○ちゃんって呼ぶ時って、大抵ろくなことない気がするのはわたしの気の所為?

 

 

『......なんか怪しい』
「あ、俺の優しさそういう風に言っちゃうんだ?へ〜、俺そんな子に育てた覚えないけどね」
『まず育てられてないもーん、...ん?優しさって?』
「こーれ、」

 

 

取り出したのは琥珀色の液体が入った瓶。風磨くんの掌でそれはゆらり、と小さな波を作った。

 

 

『なにそれ?』
「マッサージオイル、この間ネットで見つけてさ、これ使ってマッサージしたらむくみと冷えにいーんだって」
『へえ〜、わ、すっごいいい匂い、』
「○○冬は特に冷えんだろ?」

 

 

実際話してる今も足先や指先はかなり冷えてる。当たり前のようにそれを知ってくれて、わざわざわたしのために用意してくれて。ずっと変わらない普段からの優しさが好きだ、と思う。

 

 

『ふふ、ありがと風磨くん』
「ん、じゃあ脱いでそこ横になって」
『えっ、な、なんで?』
「服オイルでベタベタになってもいいんなら別に俺はいーけど」
『う、確かに、、』

 

 

でもいくらマッサージだからって、こんな明るい中で裸同然の格好になるのは恥ずかしい。そう思って表情を伺えば、ん?、と不思議そうにされて。

 


...こんなとこで恥ずかしがってたら自意識過剰みたい。密かに意気込んで下着とキャミソール姿になれば、そっとベッドに俯せになった。

 

 

「じゃあ始めるけど痛かったら言えよ?」
『はあい、お願いします風磨先生』
「ふは、ハイハイ(笑)」

 

 

まずはふくらはぎの辺りにオイルで濡れた風磨くんの大きな手が触れる。揉みほぐしたりリンパを流したりしながら、足首から太腿までオイルがたっぷり塗られて。おお、なんか本格的かも。

 

 

「どう?」
『ん、、気持ちい......』
「ここは?」
『ぁ、...んん、ちょっと擽ったいかも、』

 

 

ぐ、と親指で押されたのは足の付け根辺りで。撫で回すように触れたかと思えば、優しく解すようにぐりぐりとされ、不規則な動きに無意識に腰が引ける。

 


......それに、意識しているからか、男の人らしいゴツゴツとした手の感覚や風磨くんの温度もいつもより敏感に感じ取ってしまって。
なんか、風磨くんの手ってこんなえっちだったっけ、、

 

 

『、ン、っなんか暑くなってきた』
「あー、発汗作用あるからじゃん?」
『そ、うなのかな、...、っ』

 

 

じんわりと触れ合っている部分に汗の玉が浮かぶ。身体の芯から温まり頭の中がぽーっとすれば、風磨くんの手が下着の中に滑り込んだ。

 


だめ、と身を捩ってもマッサージだから、と言われてしまえばそれ以上の抵抗はできなくて。やわやわとお尻を揉まれれば、ぴくんっと腰が跳ねる。どうしよう、......シたくなってきちゃった、かも、、

 

 

『ん、、...ふ、ッ』
「......ね、もしかしてさっきから感じてんの」『ぁ、ちが、』
「でもさっきから身体熱いしビクビクしてるし、声もエロいよ?」

 

 

誘われてんのかと思った、吐息をたっぷり含んだハスキーボイスが耳奥に直接囁かれる。おまけに、ふう、と息をかけられればもどかしくて。快感を逃がすように内股を擦り合わせれば、逆に敏感な部分が擦れて気持ちよくなっちゃう。

 

 

『ぁ、...っ』
「ダメじゃん○○、なに1人で気持ち良くなってんの」
『ん、ふまく、ごめ、なさ......』
「ここ、シミできてっけど」
『〜、!あ、あ、ッ』

 

 

下着をずらされればすっかり蕩けきったソコに指が触れる。オイルのせいか、溢れ出る蜜のせいか、いつも以上にぬるぬるで。

 


蕾を行き来する度にぬちゃ、ぴちゃ、と淫らな音が寝室に響き、普段と違って見えてない分、聴覚から犯されてる気分になる。

 

 

「...すっごい濡れてんね、気持ちい?」
『ん、きもち、い、っ......!』
「、!なに、素直じゃん、かーわい」

 

 

短く吐息を吐いた風磨くんがオイルを再度たっぷりつけ直し、既にぐちゃぐちゃになった蜜壷に中指を差し込む。オイルを肉壁に塗り込むようにされれば、発汗作用のせいかナカまでどんどん暑くなってきて。

 


まるで、媚薬みたい。
頬が火照って、視界が涙でぼやけて、どうしようもなく風磨くんが欲しくなる。

 

 

『あ、〜〜!や、ぐるぐるしちゃ、らめ、!』
「でも○○のナカは離したくないってぎゅうぎゅう締め付けてるよ?」
『んああ、ッ、ね、ふまく、......』
「なーに、」

 

 

弱いとこを爪で優しくカリカリとされながら、親指で蕾を押し潰されれば盛りのついた猫みたいな声を上げてしまう。必死で振り返ったわたしとは反対に、久々に見た風磨くんは余裕で。口端を上げてニヤリと笑っている。

 

 

『......ふうまく、の、もう欲し、、っ、いれて、?』

 

 

その余裕さは、一瞬にして崩れ落ちたけど。
わたしだって余裕無いんだから、おあいこでしょ

 

 

 

 

 

𓂃𓈒𓏸

 

 

 

 

 

我慢できず侵入したナカはいつも以上に熱く蕩けてて。本音はもうちょい焦らしたいとこだったけど、あんなエロい顔で可愛いこと言われて我慢出来る男なんてそうそういないだろ。

 

 

「いつからそんな上手に俺のこと煽れるようになったの、○○チャン」
『ひぅ、!〜〜、ッんあ、あ、...』
「寝バックきもち、?」
『ふまく、の、形わかって、くるし...っ』

 

 

僅かに開いた脚を閉めさせればぎゅう、とナカも更に締まって。どれだけ行為を重ねても締まりの良いソコはいつも以上。ちゃん付けにも俺の言葉にもいちいち膣をキュンキュン締め付ける○○が可愛くて仕方ない。

 


ゆるゆると動かしていた腰のグラインドを早めれば接合部からぬぷ、くぷ、と蜜が零れ落ちて、...まあエロいのなんの。視覚的にも聴覚的にも、やばいなこれ。

 

 

『、...!んう、ふ、ぁあッ』
「○○の好きなとこ見っけ、...ここ、ぐりぐりしてあげる」
『ひ、あ、それ、らめ、......!あ、〜〜〜!』
「ッ、く、ぁ、......ばか、お前いきなりイくなって、」
『だって風磨くんが、』

 

 

やべ、危うく持っていかれるとこだった。こっちはギリギリだっつーのにイって余韻を逃したせいか、言い訳する○○はどこか余裕があるように見えて。ぐ、と腰を持ち上げれば膝立ちになって奥へと自身を侵入した。

 

 

『、あ...!奥、いきなり、〜っ』
「奥までドロッドロじゃん」

 

 

本当に、最初はただ冷え性の○○にマッサージするだけのつもりだった。でもいざ始めたらそれはただの"つもり"になった。

 


透き通りそうに白さとか、触り心地の良いキメ細かい肌とかが普段よりも意識されて。ぬるぬるの手で触れるだけでも結構我慢してたのに、あんな悩ましい声出されたら男としてはどうしようもない。まあ、据え膳食わぬはなんとやら、ということで。

 

 

「俺の欲しいんだっけ?......じゃあえっちな○○にはもっとあげなきゃね」
『んぁあっ、......!ひぁ、あ、んう、ふまくん、!』
「、そのふまくんってやつ、マジ可愛い...」

 

 

もっと呼んで?、と囁き、最奥へと腰を打ちつければまるで縋り付くように何度も名前を呼ばれて。......ゾクゾクすんじゃん?

 


高くあげたソコから溢れ出た蜜がタオルの上に糸を引きながら落ちる。ぎゅ、と柔らかな白い尻を掴めばそろそろこっちも限界。肩甲骨にぢゅう、と所有印を押せば今日イチの締め付けが。

 

 

「...ふ、お前俺のこと好き過ぎな」
『あ、あ、...っ、ふまく、すき、!だいすき、い......!』
「く、っ○○、俺も好きだよ」

 

 

らしくない甘い言葉を囁けば、誤魔化すように降りてきた子宮口と尖端を激しく触れ合わせる。一際甘い声をあげた○○のナカがうねるように収縮する。膜越しに欲を吐き出せばぐでん、と○○の身体が崩れ落ちた。

 


さらり、と背中に伝った柔らかな髪を一束掬えば、もう既にうとうとしだした○○にバレないようにそっと口付けをひとつ。

 


好きすぎるのは、多分俺の方。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪色のプリマヴェーラ chapter2

 

 

お隣さん健人くんと夜。

第2話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてデートの前ってこんなに時間に余裕がないんだろう、いつもより早く準備し始めるのに。人目を避け、隣町のイタリアンまで今日は慧さんとディナー。いつまで経っても芽生える罪悪感を、特別な日用のグロスで必死に塗り潰す。......よし、我ながら今日はいい感じ。

 


鏡台の前に置かれたハンカチがちらりと視界に入って。そっか、あれからもう一週間経つんだ。2回ほど訪ねても忙しいのか中島さんは不在で。早く返さなきゃなあ、と思いつつ今に至る。
今日はお泊まりだから明日にでももう1回行ってみようかな?

 


そんなことを考えながらお気に入りの鞄に荷物を詰めていれば、スマホが着信を知らせる。
あ、慧さんだ。

 

 

『もしもし慧さん?あ、もう下ついた?』
〈ごめん、今日奥さんいきなり体調悪くなっちゃってさ...〉

 

 

サー、と一気に身体の中が冷えていく。まるで頭から水をぶっかけられた気分。そうなんだ、全然大丈夫だよ、また今度だね、......早くそう言わなくちゃ。そう思うのにぴくりとも唇は動かなくて。

 

 

〈○○?おーい、聞いてる?〉
『、、またじゃん』
〈...どうした、○○らしくないけど〉
『慧さんの言うわたしらしいって何?』

 

 

どうしたもこうしたも、慧さんのせいでこうなってるのに。初めて強気に言い返した言葉への返事は、呆れ混じりの溜息。

 

 

〈はあ、とりあえず今度埋め合わせするから、じゃあまた連絡する〉
『ッ、慧さん、!』

 

 

ツー、ツー、と温度のない無機質な音が鳴り響く。ぎゅ、と掌の中でしわくちゃになったフレアスカートは寂しそうに揺らめいていた。

 


スケッチブックとペンを持ってベランダに出れば、冬の刺すような冷たい空気が独り身に染みて。.........何か描いて気を紛らわそうと思ったのに、勝手に紙に描かれるのは涙の跡ばかり。どうしてそんなに奥さんが大切ならわたしなんかに手を出したの?わたし、これからずっとこうやって1人で泣き続けるのかな。

 

 

『っ、も、慧さんの、ばか、...、!』
「また泣いてる」
『、?!』

 

 

唐突に聞こえた声にばっ、と顔を上げる。もちろんそこには誰も居なくて。聞き覚えのある声に左のベランダをそうっと覗けば、そこには蜂蜜色の彼がいた。

 

 

『中島さん、!ぁ、...すみません、お邪魔でしたよね』
「ううん、それより大丈夫、......じゃないか」
『あ、はは、、いつもは泣き虫じゃないんですけど、中島さんには泣いてるとこばっか見られちゃってますね』
「答えたくなかったら大丈夫なんだけど、○○ちゃんが泣いてる理由はその"慧さん"?」

 

 

中島さんの口から発せられた彼の名前にきゅ、と下唇を噛み締める。こくん、と頷けば、耳心地の好い穏やかな声でそっか、とだけ返されて。

 

 

『あ!あの、ハンカチお返ししたくて、ちょっと待っててください!』

 

 

本当はちゃんと面と向かって渡すべきだけど、態々そのために出て来てもらうのもなんだか気が引けるし。お詫び用に用意したチョコレートとハンカチを紙袋にいれれば、急いでベランダへと戻る。

 

 

『あの、本当にありがとうございました、それとこんな所からですみません......』
「なんか面白いね、ここでやり取りするの(笑)」
『ふふ、確かに』
「うわ、すごい綺麗にしてくれてる」

 

 

紙袋を覗いた中島さんの大きな瞳がきゅ、と垂れて。刹那、蜂蜜色の髪が風に吹かれさらさらと自由に靡く。それはまるで、夜空に蜂が舞ってるみたいで。
ーーーー描きたい、そう思った。

 

 

『ちょ、っとそのまま!そのままで!』
「え、○○ちゃん?」

 

 

小さい頃から絵を描き始めると何も聞こえなくなって、どっぷりと色彩の世界にのめり込んでしまう。

 


夢中で線を描き、色をのせる。紺青色の夜空に輝く星、そして空を飛ぶ鮮やかな蜂蜜色のハチ。中島さんがくれたイメージを忠実にスケッチブックに描くのは楽しくて。
あっという間に描き終えた頃に、ハッとした。

 

 

『あっ、いきなりごめんなさい、あの、中島さんが凄く綺麗で描きたくなっちゃって...!』
「うん、すっごい真剣な顔で描いてた(笑)」
『嘘、恥ずかしい......』
「なんで?可愛かったのに」

 

 

ケロッとまた褒めてくれる中島さんに頬が火照る感覚がして。あ、アイドルってすごい、、

 

 

「ね、それ見せて」
『ほんと殴り書き程度なんですけど、どうぞ、』

 

 

小さな紙が風で飛んでしまわないように慎重にそっと手渡す。その時、中島さんの指が手に触れて。せいぜい2秒程度しか触れていないはずなのに、いつまで経っても触れた部分は熱を持っていた。

 

 

「.........これ、俺のイメージで描いてくれたの?」

 

 

どうしよう、もしかして気に入らなかったかな?ラフ画も描いてないし手順もガン無視だし、、もっとちゃんと描けば良かったかも。不安に思いながら首を縦に振れば、最初出逢った時のように瞳がキラキラと輝いて。

 

 

「マジで綺麗!やばい!一目惚れした!」

 

 

王子様みたいな見た目とはギャップのある年相応な男の子らしい言葉遣いとその勢いに思わずくすり、と笑みが零れる。

 

 

『ふふ、わたしの絵なんてそんな喜ぶような絵じゃないですよ?』
「全っ然そんなことないから!俺いま○○ちゃんのファンになったし!」
『ええ、中島さんがファン1号なんて贅沢ですね(笑)』
「そう言って頂けて痛み入ります」

 

 

悪戯っぽい表情に吹き出せば中島さんもつられたように笑って。それから色んな話をした。

 


中島さんは25歳でわたしとは3歳差、ここはサブマンションとして借りてること、愛犬の名前はボニータちゃん、この間NYの美術館に行ったこと。中島さんと過ごす時間は穏やかで、でも過ぎるのが早くて。ふわふわした夢の中みたいな感覚。

 

 

『、っくしゅ!』
「あ、ごめん、冷えるよね、そろそろ中入ろっか」
『わたしこそ引き留めちゃって、中島さんも暖かくしてくださいね』
「あ、中島さんやだ」
『、へ?』

 

 

いきなり拗ねたように唇を尖らせれば、健人って呼んで、......ってそれはハードル高すぎじゃない?3つも年上だし、それに知り合ったばっかなのに...!

 

 

「嫌だ?」
『う、嫌ではないん、ですけど、、』
「じゃあ呼んで、ほら、けーんーと!」

 

 

あざとく手すりに頬杖を突きながらにっこりと笑みを浮かべる中島さんは、なんだか楽しそうで。揶揄われてる気がして、む、と拗ねた顔してみる。

 

 

「そんな可愛い顔してどうしたの?」
『か、可愛くないです!』
「でも俺は可愛いって思ったんだけど」

 

 

.........絶対アイドルだからじゃない、中島さんはこういう風にさらっと女の子が喜ぶ言葉をくれちゃう人なんだ。この人絶対モテるだろうなあ、って当たり前か。

 

 

『け、』
「け?」
『健人、...くん、』
「ほっぺた真っ赤、やっぱり可愛い(笑)」
『、、寒いからです!』

 

 

中島さん、......じゃなくて健人くんは無邪気で可愛いかと思えば、こんな風に大人な余裕もあって。こんなの女の子ならみんなドキドキしちゃうよ。

 

 

「○○ちゃん、これ」

 

 

そう手渡されたのはアルファベットの羅列が書かれたメモで。恐らくメッセージアプリのIDであろうそれを飛んでいかないようにしっかりと、でも、大切に握った。

 

 

『いいんですか?わたし一般人だし、知り合ったばっかなのに、』
「うん、○○ちゃんはそんな事する子じゃないし、それにもっと○○ちゃんと話したいから」

 

 

それじゃあ、と部屋の中に健人くんが戻る。

 

 

『わたしも、です』

 

 

...って言いそびれちゃったな。

 

ひとりベランダで呟けば、さっき描いた夜のカーテンのなかに散りばめられた星達が、チカチカと点滅していた。