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恋 #2



けんしょり連載#2。激裏。


















あの日会議室で首筋に咲いた紅はあれから一週間経った今すっかり消えてしまった、けれど中島さんにかけられた魔法はまだとけていない。その証拠に唇をローズピンクに彩ればまだ慣れない白のビジューが飾られたパンプスに脚をひっかけた。



何故だろう、あの日かけられた魔法をどうしてもときたくなくて。あれからすぐ鎖骨で揃えた髪をミルクティーアッシュに染め、友人に付き合ってもらって清楚で可愛らしい服を大量に買い足した。愛用していた伊達メガネは今じゃクローゼットの奥底にひっそりと眠っている。久しぶりにきちんと化粧も仕上げ会社に向かえばその日は他の部署からも男性社員が見に来てたらしく、何故だか勝利くんに1日匿われたっけ。




「○○おはよ」
『あ、勝利くんおはよう、ふふ、ここ寝癖ついてるよ?』




ぼんやりこの一週間のことを思い出しながら出勤すれば会社のエントランスで肩を叩かれた。いつも完璧な勝利くんは珍しく横髪がぴょこん、と跳ねていてそっと撫で付けても意思を持った束は負けじと跳ねる。



「え、まじ?はず、」
『大丈夫、寝癖がついててもかっこいいもん』
「...無自覚が1番困るわほんと」
『、?何の話?』



"こっちの話"、と寝癖を隠すように耳に掛けた勝利くんがちらり、と此方を一瞥する。



「ていうか今日なんか一段とかわ、、お洒落じゃん」
『え?!そ、そうかな?普通だよ...』
「...ふーん、?」




それ以上は詮索しないけれど探るような勝利くんの目線から逃れるようにデスクのパソコンを開く。



今日は一週間ぶりに中島さんに会えるからいつもより気合が入ってしまったなんて、単純すぎて恥ずかしい。絶対にバレたくない。
それにもし好きなのかと問われても、正直分からないし、なるべく好きになりたくも、ない。まず住む世界が違うしそれにかなり...そういったコトも慣れていた。




きっと中島さんは、危険な男の人だ。









そう思っていたはずなのに、どうしてこんなことになっているんだろう。



真っ白な天井を背景に透けるような金髪が目に少しかかった中島さんが唇をぺろり、と舐め赤い舌を覗かせる。




遡ること数時間前。










会議室に入ってきた中島さんはさっきまで撮影していたのかキラキラの破片を纏っていて一段とかっこいい。わたしの姿を一瞥すれば、ふわりと目を細めた。



「○○ちゃん前から可愛かったけど、やっぱりすごく可愛くなったね」
『え、!あの、中島さんのおかげです!』
「俺は何も...あ、強いて言えば魔法をかけたくらいかな」



"魔法って?"、と首を傾げるマネージャーさんに"なーいしょ"と笑えば、こっそり人差し指を唇にあてぱちんっとウインクが飛んできた。到底凡人には似合わないドラマや映画のような仕草が様になりすぎていて困る。
どうしよう、好きになりたくないのにこんなに心臓がドキドキしちゃう。




胸の高鳴りを仕事だからと抑えなんとか打ち合わせを終える。裏出口まで見送れば、中島さんからこっそり手に何かを握らされた。瞬時に何だか今見ちゃいけない気がしてそっとポケットに入れれば悪戯そうに笑い口が静かに"ま・っ・て・る"と動く。



『っ、次回もよろしくお願い致します』
「こちらこそ、また、ね?」
「失礼致します」




意味ありげな視線と含みのある言い方を残した中島さんはひらひらと手を振りながら車で去って行った。小走りで給湯室に駆け込めば小さく震える手で先程手渡されたメモを開く。そこには、〈20時に××ホテルの最上階にあるバーで待ってるね。中島って伝えたら部屋に案内されるからそこで。 kento〉と記されている。見た目からは想像もつかない、正直言ってしまえば少し下手な字をす、と指で辿った。












「○○ちゃん!ん、こっちおいで?」
『えっと、失礼します』




いかにも高級そうな革張りのソファにちょこん、と腰を下ろせば控えているウェイターさんに慣れた雰囲気で中島さんが注文する。何を頼むか迷っていれば好みを聞いてくれ、それならこれかな、とさらっと頼んでくれる姿に初っ端から胸がキュンキュン疼いてしまう。



「良かった〜、内心来てくれないかと思ってちょっとひやひやしてた(笑)」
『中島さんでもそんな風に思われることあるんですね?』
「待って、俺ってどんなイメージなの?」




可笑しそうに天井を見上げて笑う中島さんは仕事の時よりも何だか年相応で緊張を解してくれようとしているのかラフに接してくれる。会話も進めばお酒もどんどん進んで、気付けばアルコールの弱さを忘れもう3杯目。空調が効いてるのになんだか暑くて耳の奥がぽーっとする。"○○ちゃん大丈夫?"と、顔を覗き込んだ中島さんと目が合っている筈なのに何故かゆらゆらとその像は揺れていて。




「そんな顔してたら食べられちゃうよ?こんな風に、」
『んぅ、っ』




まるで食べるような貪るような口付けにここが公共な場であることを一瞬忘れてしまう。にゅる、と差し込まれた舌はアルコールで火照った咥内を更に熱する。淫靡な雰囲気が2人を包めばあの日の会議室での出来事を思い出しぴくん、と腰が揺れた。



「...部屋とってるから、行こっか」



するり、と手の甲で頬を撫でられ問い掛けではなく誘われる。やっぱり、慣れてるよね。こういう事よくするのかな。でも一夜限りでもいい、一夜でも十分だ。



ある程度酔ってはいるけれど泥酔している訳でもなくこう思ってしまったんだから、それはもう自分の本心で。伏し目がちにこくん、と頷けば綺麗な手を絡められた。部屋に向かうエレベーターの中で、ふと、綺麗な手の人は神様に丁寧に作られた人なんだって、という誰かの言葉を思い出す。神様は身分違いの一夜を赦してくれるのだろうか。ガラス張りのエレベーターからは優しく光る東京タワーが輝いていた。











『ん、っ、ぁ、』
「声抑えなくてもいいのに...もっと○○ちゃんのえっちな声聞かせて?」
『、やぁ』



膨らみをぎゅう、と優しく掴まれれば主張した尖端をちゅぱちゅぱと吸われ、たまに当てられる前歯にびりびりと腰が痺れる。必死に口を抑えていた手を頭の上で一括りにされ羞恥に耐えられない。きゅっと口を一文字に結んでもそれさえも許さないというように舌が入り込めば隙間から嬌声が溢れた。開いた片手で尖端をくるくると弄ばれたり意地悪に軽く抓られ、普段の物腰柔らかな姿とは反対な意地悪なえっちに頭の奥がぼーっとする。



「ふふ、もうイっちゃいそ、イったことある?」
『ぁ、ん、ない、です、!その、...ぁ、えっち、あんましたこと、なくて、んン、』




そう、実は処女ではないけれど処女喪失の時の元カレとの行為が痛すぎてトラウマで。それ以来、なんとなく行為は避けてきた。そのせいでフラれたことも1度あるし、3年彼氏が出来てない理由の1つもそれ。なのに中島さんから与えられるのは痛みではなく快感しかなくて、身体も心も追い付かない。それなのに、




「じゃあ俺が教えてあげる」




そう言った中島さんは抵抗を交わしてするりと下着を脚から抜き取る。それだけでも耐えられないのに、ここ持って?、と膝裏に手を当てられ涙目でふるふると首を横に振る。"大丈夫、普通のことだから、ね?ほら、"、と言われれば自分が知らないだけなのかと思い言われた通り膝裏を抱えた。興奮したかのように短く吐息を洩らした中島さんが下に沈む。



『、!ひゃ、ァ、らめ、!んン、〜〜ッ』
「ん、ちゅ、どろどろだよ?」
『あ、あ、まって、中島さ、〜!』



数回蕾を舐められればびくん、と大きく身体が跳ね瞼の裏が小さく白くなった。何が起こったのか分からなくて怖くてポロポロと涙が溢れれば安心させるように内股にちゅ、と口付けを落とされる。




「上手にイけたね、感度良すぎてめちゃくちゃにしたくなっちゃう」
『ゃ、言わないでください、』
「あ、敬語も中島さんも禁止ね?」
『えっ、いきなりですか...?』
「じゃあ敬語も"中島さん"も言えなくなるまで気持ちよくしてあげる」
『え、?!中島さ、ぁ、』



"1回目"、にやりと口端を上げた中島さんがじゅる、と音を立て今度は蕾全体に唇で愛撫を施す。吸われても溢れ続ける蜜を飲まれ続ければまた絶頂に達してしまう。"健人くん"と呼んで敬語がなくなる頃にはもう舌と指で何度達したか分からないソコは自分でもわかるくらいに熱くてドロドロで、健人くんを求めていた。




ピリッと小さな袋を破く音にもう戻れないと直感した。一夜限りでもいいと思った筈なのに、住む世界が違うと思った筈なのに、好きになりたくないと思った筈なのに、それは全部ただの"筈"だった。こんなにも健人くんが欲しくて仕方ない。健人くんがかけた魔法は、身分違いの片想いの始まりだったんだ。




「○○ちゃん、いい?」
『ん、健人くん、きて、?』
「もう、ほんっとに可愛い」




3年以上ぶりでキツイそこを解すようにゆっくりとゆっくりと健人くんが圧迫する。顔の横に置かれた繋がれた手が視界の端に入れば嬉しくてきゅんとする。すると健人くんが顔を顰め苦しそうに息を洩らす。"んっ、いきなり締めないの"、あまり理解ができなくて瞬きを繰り返せば小さく吐息で笑って口付けが落とされた。



それを皮切りに浅い所を行き来していたそこがずん、!と奥を突く。先程指で探し当てられてしまったいいとこを何度もトントンと突かれれば子宮が苦しくなって目の前がチカチカと点滅しだした。



「腰びくびくしてるよ、?」
『んン、ぁ、〜、!イっちゃ、!』
「ん、○○ちゃんの可愛いイキ顔見せて?」
『ひゃ、あ、ん〜〜ッ』



健人くんの視線を感じながら達するのが恥ずかしいのに気持ちよくておかしくなってしまったのかと思う。そんな思考を知る由もない健人くんはひょい、とわたしを抱き抱えくるりと身体を反転させれば今度は下になる。やったことがない体勢に不安な顔をすれば、誘導するように脚をM字に開脚させられ本当に世のみんなはこんな恥ずかしいことをしているのかと疑ってしまう。



すっかり解れ切ったソコに健人くんが埋まればさっきまで当たらなかった所に当たって、気持ち良すぎて腰が引けてしまう。



「こら、だーめ、」
『ふぁ、んン、!健人く、ぁ、らめ、』



腰を引き寄せがっちり固定され下からずんずんと最奥を突かれる。揺れる胸もふわふわと刺激されればゆらゆらと腰の動きを合わせ動かしてしまう。"そのまま自分で動いてみて"、と指示されれば健人くんの操り人形になったかのようにゆるゆると腰を上下に動かす。吐息混じりに小さく洩れる健人くんの声にお腹の奥がキュンキュンした。




「っぁ、もうそろそろ限界だから、」
『、きゃ!ぁ、?!んん、あ、あ、〜ッ』




起き上がった健人くんにそのまま押し倒されればさっきまではお遊びだったかのように激しく奥を突かれ膝がガクガクする。肩に足を掛けられより最奥が健人くんの先端と触れ合えば軽い浮遊感が身体を襲い意識が遥か向こうに飛んだ。放たれた熱に、このまま健人くんの色に染まってしまいたい、そう思った。













翌朝、健人くんと連絡先を交換して一夜を共にした部屋を後にした。昨晩はあの後一緒にお風呂に入って身体を洗ってもらったり、眠る時は腕枕で夢の世界へ入った。だるい腰にも小さな幸福感を感じてしまって仕方ない。胸の小さな痛みと不安を無視して会社に向かえば少し早く出勤してしまったせいかまだ1人しか来ていない。




『あ、勝利くん?おはよう、早いね』
「あ、○○おは、」
『...?』



勝利くんの顔がぐしゃり、と歪めば怖いような辛そうなそんな初めて見る表情でずんずんと此方に近付いてくる。すん、と鼻を鳴らした勝利くんの瞳が暗く濁った、気がした。



「ねえ、昨日と同じ服だね」
『ッ、ぁ、昨日は営業の△△ちゃんのお家に泊まったから、』
「こんな男物の香水の匂い漂わせてそれは無理なんじゃない?」



かあ、と言い当てられ頬を染めてしまえばもう答えなんているはずもない。



「中島さんなの、?」
『え、と、...』
「...○○の辛い顔見たくないから、中島さんはやめて」




勝利くんの冷えたような重く小さな声が酷く耳に残った。