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恋 #7-2

 

 

けんしょり連載#7-2。完結。激裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トントントン、リズミカルで心地良い音と共に無意識にお腹の虫が鳴り出してしまう香りが鼻腔を擽る。出来上がったご飯は彼の好きなものばかり。早く食べて、と湯気をあげるその出来栄えにカシャリとシャッター音を鳴らせば後ろでどさり、と鞄の落ちる音がした。

 

 

「、え、○○、何で......」
『何でって、勝利くん今日は定時にあがれるって昨日嬉しそうに話してたじゃない』
「いやそうじゃなくて、」
『ほら、食べよ?今日は勝利くんの好きなものばっかりだよ』

 

 

いつもの定位置、ダイニングテーブルの向かい側に座れば辛そうに顔を歪めた勝利くんがくるり、と背中を向けた。その男の人にしては華奢な背中は、いつにも増して小さくて寂しそう。

 

 

「...中島さんのところ行かなきゃ、俺のことは本当に気にしなくていいし、」
『......勝利くん』
「○○に後悔して欲しくないし、...俺言ったじゃん、中島さんのことが好きなままで、」
『勝利くん!』

 

 

普段出さないくらいの大きな声がビリビリと幸せな香りで充満する空間に響き渡る。吃驚したように猫目を大きく開いて此方を見る勝利くんの瞳はきっと潤んでいた。

 


本当に貴方はどこまでも優しい人。そんな貴方を何度も裏切ったのに傍で支え続けてくれて、そればかりか惜しみない愛を与えてくれた。

 


ねえ、そんな人のこと好きにならない訳、ないでしょう?

 

 

『......あのね勝利くん、ずっと言えなくてごめんね、わたし勝利くんのことが好き』
「っ、え.........ほんとに、?」
『うん、だからね、もっと我儘になっていいんだよ?』

 

 

真向かいから小さな手で優しく頬を包めば膜を張ったそれは形になり掌を濡らした。見られたくないんだろう、頭をぎゅっと胸に押し付けられれば鼻を啜る音がする。

 

 

「、ダサ、泣くとかほんと」
『なんで?勝利くんはいつだってかっこいいもん』
「......中島さんのところ行かないで」

 

 

掻き消されてしまうくらい小さな声でぽろり、と勝利くんの心が零れ落ちた。嗚呼、もうかわいくて愛おしくて大切で仕方ない。安心させるように"行かないよ"と背中をぽんぽん宥めるように叩けば首筋にぐりぐりと頭を押し付けられ、少しだけ首元が冷たくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

健人くんには少し前に電話をかけた。"......ごめんなさい、やっぱり行けない、今は隣に居たい大切な人がいるから"、そうハッキリ言葉にして伝えればもう迷わなかった。通話口の向こう側の健人くんはそれを分かったみたいに一言、そっか、と呟いた。

 

 

「あー、俺ほんっと馬鹿だわ......ねえ、もうちょっと○○ちゃんのこと好きなままでいても、いい?」
『それは、えと、...はい、?』
「ふふ、疑問形になっちゃうところもやっぱ可愛い、...ッほんとに好きだよ○○ちゃん、だからさ、」

 

 

"幸せにしてもらってね"、終始明るく振舞っていた声は最後震え、ツーツー、と寂しげな音に変わった。電話の向こう側の彼は今どんな表情をしているんだろう。

 


擦れ違い続け摩耗してしまった恋は、やっとやっと、報われなくとも成就しなくとも2人の終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした」
『お粗末さまでした〜』
「ほんと美味しかった、俺の好きなものばっかだしありがと」

 

 

食器をシンクに浸けながらキッチン越しに勝利くんが嬉しそうに口を窄めているのが見える。あ、幸せってこういうことなんだ。ほろほろと胸の奥が溶けるように暖かくて、それでいてどこかこそばゆい。わたし、勝利くんを好きになって良かった。

 


思わず口許が緩んでしまえばいつの間にか後ろにきた勝利くんの顎が肩に乗る。腰に回された腕に優しく抱きとめられれば柔らかな吐息が耳に触れて擽ったい。

 

 

『ん、勝利くん擽ったい』
「もう1つ我儘言ってもいい?」
『うん、なあに?』
「...デザート食べたい」

 

 

そういえば勝利くんは甘いものが好きだったっけ。"ごめんね、用意してなくて...あ、コンビニに買いに行こうか"、くるり、と顔を向けた刹那、伏せられた長い睫毛が近付き不意に唇を奪われる。ビールの香りが仄かにするそれは、苦いようで甘かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こういうこと、分かった?」

 

 

薄暗い間接照明だけが灯す寝室で勝利くんの影に覆われる。下から見上げる勝利くんは儚くて妖艶で、いつも可愛らしかったり穏やかだったりする瞳はいつになく欲情で濡れていて。まるで兎を食べる狼。つまり、勝利くんの今宵のデザートは、わたしってことだ。

 


こくん、と一度頷き恥ずかしくて目線を逸らせば顎を捕まれ本当に唇ごとぱくっと食べられてしまうかのような激しい口付けを交わす。興奮のせいでねっとりとした唾液が交換されれば離れた唇を名残惜しそうに繋いだ。

 

 

「今日は目逸らしたらだめだから」
『え、むりむりむり、恥ずかし、んう、』
「ほら、ずっと俺の事見てて」

 

 

エプロンもお気に入りのルームウェアも取っ払われれば赤の下着が顕になり隙間から入り込んだ掌がやわやわと触れる。"これ好き、えろい"、なんて言うくせに最後の砦さえもベッドの下に呆気なく落ちる。

 


まだ触れられてもない先端がぴん、と立っているのが恥ずかしい。目を逸らしてしまいたいのに勝利くんに支配されたかのように動けない。心の奥底まで見透かすような視線に身体が熱く火照り、そこが蜜で潤い始めた感覚がした。

 

 

「ん、いい子だね」
『、ゃ、だ!』
「本当に思ってる?じゃあここまだ濡れてないよね」
『あ、!だめ、んん、〜!ぁ、や、』

 

 

下着に差し込まれた手がまだ核心を触られてもいないのにはしたなく濡れている蕾を捉える。"あれ、俺触ってないのに○○のここぬるぬるだよ?"、意地悪く口端を吊り上げる勝利くんにはきっと、見つめ合いながらの行為の淫靡さにまんざらでもないことはバレているんだろう。

 


纏った蜜を塗れば更に蕾は膨らみ感度を増す。びくびく、!と内股を震わせ軽く達してしまえばそのまま下着をずり下ろされ勝手を知ったように中にするり、と指が入った。

 

 

『ん、あ、!あ、そこ、んンッ、は、!』
「ここ好きでしょ?知ってるよ、○○のイイところも触ったらぐちゃぐちゃになっちゃうところも」
『〜〜、!あ、そこやだやだ、あ、あ、ッ』
「ああ、またイっちゃったの?欲張りな○○には乳首も舐めてあげる」

 

 

ザラザラとした部分やGスポットを擦られれば苦しいくらいに感じてしまう。分かってる癖に徹底的にそこを虐め開発し続ける勝利くんは昼間の顔と全然違う。会社の人も知らない、わたしだけが知ってる、わたしだけの勝利くん。

 


桃色のそこにちゅう、と少し強めに吸いつかれ上も下も快感でいっぱいになってどうしようもない。口に含みころころと飴玉を転がすように愛撫され、もう片方の手で優しく先端を擦られる。きっと勝利くんを見詰めているわたしの顔はとろとろに惚けてる。だけど勝利くんも荒く息を弾ませていてそれも堪らない。3点同時に刺激を与えられれば限界で、大きく波打った身体は微かに香水の残り香がするシーツに淫らな皺を作った。

 

 


「○○、一生大切にするから」
『勝利くん......すき、大好き、!』
「ふふ、俺はね、」

 

 

「ずっと前から愛してる」

 

 


普段照れ屋な勝利くんからは思いもつかない愛の言葉に驚きや感動、照れや幸福感が一気に押し寄せ、それは口付けになって現れる。ぱち、と一度睫毛を揺らしたその時、下腹部に甘い衝撃が走り次第に快感へと変わった。

 

 

「、○○っ」
『ん、ん、あ、〜〜!ふ、』
「やっと俺のものになった、!ぁ、絶対離してなんかやんないから、」
『ひゃ、ア、!ずっと、一緒に、〜〜ッ』

 

 

打ち付けられるのは重いくらいの欲と愛。だけどその重さが愛おしくて心地好い。両膝を肩にかけられればより一層奥に尖端が触れる。ピストンを繰り返す度に接合部から愛液と水音が溢れ、思わず端正な顔立ちの頬に手を伸ばす。

 

 

「、俺の形覚えたね」
『ん、しょりく、だけだもん、あ、〜〜〜!』
「ッ、く、可愛すぎるから、」

 

 

切なげに特徴的な眉が形を歪めた。いつかのように下腹部を上からぎゅ、と抑えられそのまま揺さぶられれば形を覚えたことを再確認させられる。

 

 

『んんあ、!も、らめ、しょりく、〜ッ』
「、○○、すき、」

 

 

空中を蹴るように動く脚が絶頂の予感を知らせ、最奥にねじ込まれた尖端が子宮口と触れ合う。ぷにゅぷにゅになったそこを何度も甘く激しく突かれれば真っ白の世界に導かれ、最後意識を失う寸前まで交わりあっていた瞳は、愛おしい、と語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


the end ‪‪❤︎‬ Shori ver.