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恋 #7-1

 

 

けんしょり連載#7-1。完結。激裏。
(ぜひ最後の一文までお読みください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変な汗が手の筋に滲んで鼓動は狂ったかのように弾む。パウダールームの鏡に映る顔は明らかに緊張していて場に合わせて着たとっておきの薄いブルーのドレスワンピも結った髪もなんだか浮いてる気がしてきた。よし、と一言呟きお気に入りのルージュを引けば二度かからない筈のあの日の魔法が蘇った。

 


開いた扉に、パッと勢い良く視線を上げた彼の大きな瞳がまんまるになる。

 

 

『健人、くん』
「...え、あ、っと、○○ちゃん、」

 

 

瞳を泳がせ狼狽える姿は新鮮で。思わずくすり、と笑みが溢れれば困ったように眉を下げて微笑む健人くんの掌がそっと添えられる。

 

 

「来てくれたってことはさ、期待してもいいの?」
『え、と、...』

 

 

顔を覗き込まれながらの真っ直ぐな台詞に今度はこっちの瞳が泳いでしまう。動揺を悟り追い討ちをかけるように緩く巻かれた横髪の毛先を甘く弄ばれる。こくん、と一度首を縦に振れば頭を胸に引き寄せられた。

 

 

「絶対また好きになってもらえるように頑張るから」
『......好きでした、なんて嘘なの、ほんとはあの時も今もずっと健人くんのことが、ん、!』

 

 

すき、の言葉は蕩けた咥内の中に飲み込まれぱくんと食べられてしまう。このままわたしの気持ちが彼の身体の隅々まで行き渡ればいいのに。夢中になって舌を絡めれば貪るような久々の口付けに溺れる。ほんのちょっと触れ合っただけなのに押し込めた気持ちが崩壊して、ほら、また身を滅ぼす程にどうしようもなくあなたを好きだった頃のわたしに戻されてしまう。

 


ぷつり、と銀の糸が途切れ乱れた2つの呼吸が小さな密室に響く。手を引かれバーを出ればどこに行くの?なんて聞くのは野暮で。いつかのエレベーターに乗れば今日は輝きを惜しみなく放つ東京タワーが見える。そのゆらゆらとした綺麗だけれど切ない赤に昼間のことを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日、行ってもいい、?......ほんと、ほんとに、ごめんなさい」

 

 

その言葉はわたしたちの温かで優しさに溢れた日々の終わりを意図していた。わたしが泣くなんて本当に狡すぎて許されない。ぐ、と堪えた奥歯が軋む。どんな汚い言葉で罵られても仕方ない、寧ろ勝利くんを何度も何度も裏切ってきたわたしのことなんてボロボロに蔑んで欲しい。それなのに勝利くんはそっか、と寂しそうに呟くだけだった。

 

 

「○○の気持ち全部受け止めるってあの時から決めてるから、...もし上手くいかなかったら俺のとこ戻っておいで」

 

 

なんてね、ジョーダン、きゅひっと笑う勝利くんはやっぱり最後の最後までわたしを大きな優しさで包み込んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「さっき別の人のこと考えてたでしょ」

 

 

"多分佐藤くんのことかな"、見事に言い当てられてしまって自分の意思でここに来たのに、どちらに対しても少し後ろめたく感じてしまう。

 

 

『あ、...ん、ごめんね、』
「......あの日見たことない顔で笑ってる○○ちゃん見て幸せにできるのは俺じゃないんだなって、でもずっと後悔してた」
『健人くん、』
「もう二度と離さないから、改めて言わせて?」

 

 

ホテルの大きな窓から差し込んだ月の光が幻想的に健人くんのゴールドを透かす。此方に手を伸ばした健人くんはあまりに魅惑的で思わず頭がクラクラする。その白い手を握ったらきっとわたしは、もう二度と離せず健人くんにずぶずぶと溺れてゆくんだろう。

それでも離すつもりなんて、ないけれど。

 

 

「好きだよ○○ちゃん、俺に恋を教えてくれてありがとう、...これからは恋人として俺のそばにいてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日溺れたシーツの海に再度飲み込まれれば会えなかった日々を埋めるように絶え間なく口付けが落とされる。下唇を啄み思わず軽く声が洩れれば、我慢できないようにするりと柔らかい舌が差し込まれくちゅくちゅと音をたてながら絡みつく。その間も熱く内股やボディラインをなぞられれば身体の奥底から欲求が沸き起こった。背中を起こされファスナーに手がかけられ、ぴたり、と止まる。

 

 

「ん、ちょっと勿体無いかも」
『へ?なにが?』
「だって俺のためにお洒落してくれたんでしょ?今日は一段と可愛いね、...こんな可愛いなんてほんと○○ちゃん狡いんだけど」

 

 

健人くんは初めて会った時、まだお洒落を諦めていた頃から何度も可愛いって言ってくれて。こんな平凡なわたしの何がいいんだろう。どうしてそんなに褒めてくれるの?健人くんの周りにはきっともっと素敵で綺麗で可愛い人がいるのに。

 

 

『健人くんはなんでそんなに、その、可愛いって言ってくれるの?』
「ん?なんでって、うーん、○○ちゃんが可愛いから?」

 

 

あっけらかんとした回答に情事の雰囲気も忘れ、もう、と頬を膨らませれば悪戯っぽく健人くんが口端を上げる。突如するり、とファスナーを降ろされ、思わず胸元をば!と押さえればシーツに縫い付けられて。

 

 

「ほんとだよ?最初会った時から誰よりも○○ちゃんが可愛くて仕方なかった、...あ、これって一目惚れなのかな」
『〜〜、!ずるいのは健人くんだよ、も、ほんとずるい、』
「そんな俺も好きでしょ?」
『、悔しいけど、...すき』

 


満足そうに目を細めた健人くんの唇が身体中に触れる。やわやわと膨らみを触る掌は相変わらず体温が高くて愛おしい。ぷちん、と外された締め付けがふわりと浮いて腕から抜かれる。

健人くん、すき。自分が自分じゃなくなってしまうくらい、こわいくらいあなたが好き。
もっともっとわたしを愛して?

 


そんな我儘を見抜いたように健人くんが耳朶に甘く齧りつきながら、情事の時だけの特別な低い声で鼓膜を震わせた。

 

 


「何も考えられないくらい愛してあげる」

 

 


そうしてわたしは、健人くんに堕ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『ん、あ、あ、〜〜っ!』
「ふふ、きもちいね?とろとろすぎてどこが○○ちゃんの気持ちいとこか分かんなくなりそ」

 

 

言葉通り丹念な胸と蕾への愛撫で太腿まで蜜が滴るほど濡れたそこを自覚させられれば、麻痺しかけた羞恥心がぶり返す。次はどうして欲しい?、とゆっくり円を描くように蕾に触れられればもどかしくて仕方ない。もう何度も達したのにもっともっと健人くんに触れて欲しい、ぐちゃぐちゃに愛して欲しい。言葉にしてお強請りしなきゃいつまでも焦らされるのは重ねた行為で分かってる。

 

 

『んん、ぁ、健人く、なめて、くださ、』
「じゃああれ、して?」

 

 

健人くんの指すアレとは膝裏を自分で抱える体勢のことだろう。ほぼほぼ経験がなかったわたしは普通だと思ってたけれど、いざ勝利くんとシた時に"そんなえっちなのどこで覚えたの"なんて言われて。

 

 

『......や、やだ、だって普通じゃないって、』
「へえ、どこで知っちゃったの?」

 

 

あ、、そう思った時には遅かった。不機嫌そうに眉を顰めた健人くんが膝裏に手をかけ恥じらいを無視して大きく開かれる。前髪がさらり、と下腹部に触れればぢゅう、と音を出して蕾に吸い付いた。柔らかな舌全体で舐めあげ、尖端でぐりぐりと押し潰され腰が小さく震え始める。

 

 


「俺独占欲強いみたいだから、他の男匂わせるようなことしちゃダメだよ」

 

 


初めて独占欲を抱いた、そんな言い方に胸の奥が疼き喜んでしまうわたしも独占欲が強いんだろう。カリ、と優しく歯が立てられればぷしゃ、!と水しぶきをあげながら制御を失った身体が跳ねた。焦って目線を落とせば綺麗な健人くんの前髪が濡れていて。罪悪感と羞恥心、背徳感が一気に襲いそれは涙となって顕になる。

 

 

『、ッふ、ぁ、ごめん、なさ、!』
「、もっと俺に染まって?」

 

 

濡れた前髪をかきあげる健人くんに性の魅力を感じてキュンキュンと疼くそこに長い指が差し込まれる。柔らかなそこを堪能しながら知り尽くしたように所謂Gスポットに指が触れた。

 

 

『、ひゃ、ア、そこらめ、んン、〜〜、!』
「だめじゃないでしょ?気持ちよさそうに口開いてる、」
『んう、ふ、あ、あ、またイ、ぁ、ッ』

 

 

咥内に侵入した指は舌のザラザラした部分を擦ったり歯列をなぞって。上も下もぐちゃぐちゃになってしまえばもう本当に何も考えられない。粟立つ肌の感覚に身を任せふわり、とした浮遊感に襲われた。ぴくぴく揺れる腰に余韻を感じ惚けていれば張り詰めたソレが蜜口にあたる。

 

 

「、ごめん、優しく出来ないかも」
『健人くんになら何されてもいい、よ?』
「〜、!はあ、もう煽んない、の!」
『あ、!ふ、んン、〜〜っ』

 

 

熱い吐息を吐いた健人くんの怒張がぐ、と絡みつくそこに分け入る。2ヶ月ぶりの快感に中でソレが大きく膨らむ。健人くんがわたしに興奮してくれてるのが嬉しくて仕方ない。それもすきだと言って身体だけでなく心まで愛してくれるなんて。ほんと、幻みたい。

 


トントン、と緩やかに打ち付けられていた腰のグラインドが早まり脚が肩にかけられる。

 

 

『あ、ひゃ、んん、あ、あ、!』
「あー、ほんとにすき、だいすき、」
『けんと、く、わたしも、ン、すき、すき、』

 

 

お互い今まで伝えられなかった数え切れないほどの好きが世界に溢れ落ちる。揺れる視界の中、何度も健人くんと唇が触れる。耐えるように枕を掴めば縋り付くみたいに首に腕を回させられて。もっと密着したい、と健人くんも思ってるかのように最奥に尖端が打ち付けられた。

 

 

『あ、あ、〜、!けんと、く、いっしょが、いい、!』
「、一緒にイこ、?」
『ふ、んン、ぁああ、んッ〜〜〜!』
「ぁ、...」

 

 

びくびく、と中で震えたそれが吐き出した愛情は0.01に邪魔されて得られないのに、貪欲に中はぎゅうぎゅうと欲していた。

 

 

 

 

 

 

 

 


2人、シーツに包まり星よりはビルの光が目立つ都会らしい夜景を眺めているとぽつり、と健人くんが呟いた。

 

 

「俺東京タワー好きなんだよね」
『そうなんだ?』

 

 

また新たな健人くんを1つ知れた。それになんだか東京タワーが好きって健人くんらしい。

 

 

「その日の気持ちによってなんとなく見方とか違って見えたりしない?」
『確かにそうかも、キラキラして見えたり切なそうに見えたりするよね』

 

 

あの日エレベーターに乗って見た時、路地裏から見えた時、どれも同じ景色なのに違う景色だった。でも1つ変わらないのは、

 

 

「じゃあ今日はどんな風に見える?」

『んー、、ふふ、秘密』

 

 

 


いつだって甘い、だけどちょっぴり切ない、
2人が教えてくれた恋の色をしてるってこと。

 

 

 

 

 

 

 

the end ‪‪❤︎‬ Kento ver.