ultimatelove_sのブログ

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エデンの園

 

 

Because of 愛モチーフ。裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ヴァンパイアが血の匂いで我を失ってしまうように、狼男が満月で本当の姿を表すように、
......健人くんは、豹変する。

 


普段の健人くんが白ならば、その時の彼は黒。黒に勝る色は、この世に存在しない。
闇夜をパレットに掬ったような黒で塗り潰した白は、跡形もなく消えてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


小判型に丸めたお肉をぱん、ぱん、と軽く投げる。健人くんの好物を作りながら彼を待つこの時間がわたしは好き。クリスマスの前夜のような、少しもどかしいけれどワクワクする心が止まらない、そんな時間。

 


ジュー、とお肉が焼ける音をBGMに鼻歌を歌えば今朝のことを思い出す。

 

 

 

 

 


「○○、今日も可愛いね、あれ......メイク少し変えた?」
『えっ、すごい!リップの色変えただけなのに』
「○○の事なら何でも分かるよ」

 

 

得意気に笑う健人くんが可愛くて、じゃあ今何考えてるか分かる?、なんて我ながらバカップルっぽい質問をする。でも仕方ないじゃない、だって幸せなんだから。ちなみに、正解は"ココアが飲みたい"だから、まあ当たるはずはない。

 

 

「んー、...あ、分かった!」
『ええ、嘘だ〜』
「ほんとだよ?これでしょ、」
『ん、ッ、......え、ちょっと健人くん!』

 

 

ちゅ、と軽く鳴ったリップ音に思わず我を忘れきょとん、としてしまう。いくら楽屋だからってテレビ局内なのに。少し無防備な彼に頬を膨らませれば、怒ってもかわいい、なんて一切反省してない言葉を貰う。

 

 

『しかもハズレだもん』
「そうなの?でもしたかったでしょ」
『う、、それは、、』
「素直になったらもう1回してあげる」

 

 

扇情的な視線と甘い罠に誘われ、ちゅーして、と小さく呟けば口付けの雨が降る。くしゃり、と握ったわたしがスタイリングしたシャツは小さな波を作った。

 

 

 

 

 

 

盛り付け終わる頃、予定通りにインターホンが鳴り響く。オートロックを解除すれば急いでテーブルに食器を並べる。
よし、我ながら上出来。

 


玄関を開ければ、健人くんおかえりなさい、その声は言葉にならなかった。背中に衝撃を感じたと同時ににゅる、と入り込んだ舌によって一気に息苦しくなる。強引に舌を絡め取られ水音が狭い玄関に響く。至近距離にある瞳は、何度も見た黒に染まっていた。

 

 

『っ、は.....健人く、なんで』
「なんで?こっちが聞きたいんだけど」
『全然何の事かわかんないよ、、』

 

 

はあ、と溜息を吐いた健人くんにこれ以上機嫌を損ねてはいけないと冷や汗が伝う。

 

 

「これ、どういうこと?」

 

 

提示されたスマホのスクリーンには、今人気の若手俳優さんの手がわたしの頭に触れてる写真。こっそり撮られたような画角は、きっと盗撮だろう。ただ頭にゴミが付いていたのを取ってもらった、それだけなのに。

 

 

『、!ひどい!なんでこんな写真撮るの?』
「俺の質問に答えて」
『..........嫌だ、答えたくない』

 

 

理不尽に対して芽生えた反抗心に忠実に答えれば、痛いくらいの力加減でぐいぐいと手首を引かれる。横目でチラリ、とテーブルの上を確認した健人くんはそのまま寝室へと進んだ。

 


一生懸命作ったのに、いつもの健人くんならきっと目を輝かせながら口いっぱいに頬張ってくれるのに。じわ、と目に浮かんだ悲しみが膜を張れば勢い良くベッドに押し倒された。

 

 

「泣いてる姿も可愛いね、...でも○○の可愛さも何もかも全部俺だけのものでしょ?」
『××さんはただ、んぅ......!』

 

「俺の前で他の男の名前口にすんな」

 

 

乱暴に口腔内に侵入した指が舌を押さえる。威圧的な言葉に、光を失った瞳。こうして嫉妬という闇夜にかられ、暴走するのはもう何度目だろうか。諦めたように瞼を下ろせば、一筋の涙だけが真っ暗な部屋の中で光を得ていた。

 

 

 

 

 

 


『......ぁ、もう、んぁああ、ッ』
「ここきもちいよね、」
『ひ、あ、、!そこ、やら、〜っ!』

 

 

ぐりぐりと弱い場所を尖端で刺激すればビクビクと腰が跳ねる。何度果てたかも分からない腰は限界で、健人くんの手によって支えられているので精一杯。

 


バックで突きながら器用に背中を噛んだ歯がキリキリと食い込む。......ああ、また当分痣になっちゃう。ぺろ、と噛み跡を舐めればズキズキと痛むそこが快感に変わり、また接合部分を潤わせた。

 

 

「ぬるぬるすぎて抜けそ、」
『意地悪、やだ、!も、許して、〜〜〜!』
「お仕置きだから無理、○○が悪いんだよ?いつも俺を不安にさせるから」

 

 

吐息を含みながら鼓膜の奥へと洗脳的に囁かれれば、いつもわたしが悪いのかな、なんて結局思ってしまう。そうして謝って、許して、そしてまた夜が来る。分かっているのに、結局また謝ってしまうのは捨てられたくないから、健人くんのことを愛してやまないから。

 

 

『ごめ、なさ、ン、!もう、触らせないから、あ!』
「次同じことしたら、...もう誰の目にも入らないように○○のこと閉じ込めちゃうかもね」

 

 

半笑いで吐き捨てるように呟いたそれは、半分冗談、もう半分は本気なのだろうか。遂に腕の力も抜けぺたん、と上半身が俯せになれば最奥に怒張が捩じ込まれる。

 

 

『ひゃああァ、ッ奥、くるし、んン、〜〜!』
「、俺はね、もっと苦しい...ッ」
『あ、すき、すき、愛してるから、〜〜あ、らめ、来ちゃ、!』

 

 

愛の言葉はわたし達にとってクスリ。健人くんの不安を癒す処方薬、そしてお互いを更にずぶずぶと依存させるドラッグ。

 


譫言のように愛してると零せば全身がびくびくと震え、同時にナカもぎゅう、とうねる。どろり、と吐き出された白濁をそのままに身体を反転させられればずっと見えなかった健人くんの表情が見えた。

 

 

『ッ......、泣いてる、の?』

 

 

真っ赤な瞳でぷるぷると唇を震わせながらも耐えきれない雫は顎へと落ちる。何度拭っても掌を濡らすだけのそれに、罪悪感が一気に押し寄せた。......健人くんを傷付け、不安にしたのはわたしだから、悪いのはわたしといつも不確実な存在である愛。

 


ぐ、と手を取られれば再度シーツの海へ2人ぼっちで沈む。シュッシュッと軽く扱いたそれはまた始まりの時と同じように張り詰め、どろどろの中へと侵入する。

 

 


『、ひ、あ、、!』

 

「ごめんね○○、......死ぬほど愛してるよ」

 

 


夜の帳は、降りたまま。

 

 

 

 

 

 

 


END ‪‪❤︎‬