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Honey boy Ⅲ

 

 

ハニーゴールドな健人くんと

独占欲に塗れた夜。激裏。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「○○ちゃん、ちゅーする?」
『ん?しなーい』
「なんで!してよ!ん!」
『今インスタ見てるもん』

 


むにゅ、と唇を突き出す健人を一瞥し無視すれば"もうスマホじゃなくて俺に構ってよ〜"、と耳の奥が蕩けるほど甘い声を出しながら長い腕で拘束される。

 

あの夜から3ヶ月。わたしと健人は喧嘩することもなく吃驚する程うまくいっている。わたしが下らない理由で健人に怒ることはあってもすぐに叱られた犬みたいに見えない尻尾をしゅんと下げて"○○ちゃん、ごめんね...?"と謝ってくれるし、健人に怒られた事は一度だってない。

 


「俺スマホばっか触る女の子あんま好きじゃないんだけど」
『じゃあわたしのこと嫌いなんだ、へえ』
「!そんな訳ない!だいすき!」
『ん、ふふ、わたしも健人のこと大好きだよ』

 


"じゃあインスタ見てもいいよね"、そう揶揄ってしまうのは健人があまりにも可愛い所為。じゃれてソファに押し倒されればあの頃よりもっと金が強くなった健人の髪が誘うようにふらふらと目の前で揺れた。蜜に吸い寄せられる蝶の如く唇を重ねれば、だんだんと深くなる交わりにまだ日は沈みきっていないというのに我儘な身体が火照り始める。指が鎖骨に触れた、その時。ピンポーン、と間抜けなチャイムの音に現実に引き戻された。

 


「、はあ...行っておいで?」
『え、と、ごめんね、』

 


じと、と恨めしそうな瞳の健人を1人残しドアノブを捻る。あ、誰か確認し忘れた。ぐい、と無理矢理大きく開けられた扉に決して小さくはない悲鳴が洩れる。焦って駆け付けた健人の存在と目の前にいる人物に頭の中で赤いランプがぐるぐると忙しなく回った。

 


『なんで、!...帰って、もう二度と会わないって連絡したでしょ』
「いや〜、あの時はそれでいっかって思ったけどやっぱお前の身体手放すのは惜しいわ、てか誰?あ、彼氏?」
『そうだから、もういいから黙って帰って!』
「冷たくね?あんなに愛し合った仲じゃん」

 


馬鹿みたいにぺらぺらと口が動くのは昔のセフレの1人で。愛し合ったなんて、どんな幻想だ。あんな関係に愛なんて無かった。あそこにあったのはある程度の快楽と一時の寂しさを埋めるレプリカの温もりだけ。力づくでも追い出してやろうと手を伸ばせばお腹に回った腕によって強く後ろへ引き戻された。背中に伝わる温もりは正真正銘の原物の愛。

 


「...どなたか存じ上げませんけど、今すぐ出て行かないなら不法侵入で警察に電話しますよ」

 


ちらりと下から伺った表情は今まで見たこともないくらいに酷く冷淡で。その迫力に負けたのか舌打ちした男が悪態を吐きながらずこずことその場を去った。ガチャン、と必要以上に強く掛けた鍵の音にびくりと肩を揺らせばそれさえも不愉快だと言うように顔が歪められる。無言でベッドに強く投げ飛ばされたせいで左半身が擦れてヒリヒリする。馬乗りになったその瞳は光が失せどこまでも暗く濁っていて、初めて健人に恐怖の感情を抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『けん、と、あ、んン、や、はずして、!』
「...」
『ん、〜、!やら、!ぁああ、ッ』
「はい、3回目」

 


先端と蕾に与えられたおもちゃの無機質な快感は容赦無く絶頂へと飛ばす。少しでも逃れたくて顔を背ければさっき力任せに引きちぎられたボタンが床に無残に転がっていた。頭の上で一纏めにタオルで括られた腕では思うように抵抗出来なくてただただ健人の下で泣きそうに歪んだ声を洩らしていれば、さっきまで重たかった口がやっと開いた。

 


「さっきの男誰?どんな関係?」
『ん、は、言いたく、な、!ひゃァ、!』
「言いたくないなんて○○ちゃんが言える立場じゃないよね?俺の気持ち分かる?」
『、ン、んぅ、ごめ、らさ、〜ッ』

 


薄々勘づいてるだろうけど健人の前では言葉にもしたくなくて。拒否すれば人差し指が開いた隙間から咥内に侵入し無慈悲に暴れ回る。鋭い眼光と共にぐい、と薄い舌を引っ張られ痛みというよりは見たことない健人への怖さで涙が膜を張る。言うから、という気持ちを込めてこくこくと首を縦に振れば離された舌がじんじんと痺れた。

 


『ん、は、前、関係持ってた、けど、んあ、!全然、好きなんかじゃ、んン』
「...やっぱそうなんだ、あいつにもこんな顔見せたの?ねえ、」
『ああ、!けんと、の方が、きもち、から、〜ッ、ぁ、や、イ、!』

 


真っ白な世界がだんだんと近付き呑み込まれる、その瞬間ぴたりと快感が止まる。あと少しだったのに。イき損ねた身体は熱を燻らせる。おもちゃを外したそこに健人の指と舌が触れるけれど、それは明らかに曖昧な刺激で決して達せはしないギリギリのラインで焦らされる。

 

んう、と腰を強請るようにくねらせればひくつく蜜口に長い指がぐちゅりと埋まる。もう知り尽くされたようにザラザラとしたイイ部分をトントン、と叩かれるだけで熱を持った身体が小さく痙攣した。

 


『ね、けんと、も、お願い、』
「じゃあ○○ちゃんは誰のものか答えて」
『健人、!健人のもの、ん、あ、〜〜ッ!』

 


第2関節が曲げられカリカリと引っ掻くように一気に強い刺激が電流のように走る。シーツの上で大袈裟に身体が跳ねれば拘束していたタオルが外された。赤くなった部分に愛液を纏ったままの指が触れ、ひんやりとした感覚に羞恥に襲われる。撫でられるのかと思えばそれはとんだ甘い考えで。ぎゅ、と力を込められ鈍い痛みに驚き健人の表情を伺えば相変わらずゾッとする程美しくて妖艶で、冷たかった。

 

 

 

"あいつとこの体勢でシたことある?"、ベランダの窓に手をつかされ後ろからぴたりと健人の昂った欲があてがわれる。カーテンを1枚開けてしまえばそこは外から丸見えで。ありえない状況なのにその熱に余計濡れてしまう事実を受け入れたくない。早く答えて、とぐずぐずになった蕾を指が往復する。ふるふると首を横に振ってNOの返事をすれば指が動いたまま、にゅるり、と張り詰めたそれが奥を広げながら侵入した。

 


『んああ、は、んン、〜〜!』
「きっつ、...興奮してんの?○○ちゃんの淫乱、」
『あ、ごめ、なさ、ッ』

 


初っ端から頭を揺さぶるような激しい律動に何に謝っているのかすら分からなくなる。意地悪な言葉を吐く健人もぐん、と今ナカで膨張したそれは普段より大きいんだからきっと怒りと同時に興奮しているはず。腰をがっちりと捕まれ上体を更に低くさせられれば最奥にコツコツと健人の尖端が触れ、散々おもちゃで快楽に導かれた身体はガクガクと震えた。

 


『あ、おく、奥、きもち、〜〜ッ』
「あーあ、お仕置きなのに気持ち良くなっちゃったの?ほーんと○○ちゃんって悪い子」
『ひゃ、ア!はあ、は、んん、ぁっ』

 


片脚を持ち上げられ不安定な体勢に思わず縋るようにカーテンを掴めば少し開いてしまった隙間に冷や汗が流れる。もし誰かに見られたら。急いで閉じようと手を伸ばせば先にカーテンを掴んだ健人が律動を止めて耳に舌を差し込んだ。ただでさえ耳が弱いのに鼓膜に淫らな水音が鳴り響く。反応に満足したのか舌が抜かれれば健人が低く囁いた。

 

「ん、ねえ、ここ開けちゃおっか...」
『、?!だめ!やだ、開けちゃダメ!』
「なんで?みんなに、今は、○○ちゃんが俺のものって教えてあげようよ」
『や、だ、ごめなさ、健人、』

 


生理的に溢れる涙をボロボロとフローリングに零しながら嗚咽を上げる。今まで一度も怒ったことのないわんこみたいに可愛くて温厚な健人を変えてしまったのは、紛れもなく自分だ。"...冗談、こんなえっちなトロ顔誰にも見せる訳ないでしょ"、と再開された緩やかな腰の動きでは達することはできなくて。謝罪の気持ちと快感への欲求で頭も感情もグチャグチャになってしまう。

 


『ん、んン、あ、ね、』
「シて欲しいことがあるなら言わなきゃだめって散々教えたでしょ、?」
『は、あ、...ッ、もっと、突い、て?』
「そんなのじゃあげれないなあ、...ほら、○○ちゃんのどこをどうして欲しいの?」

 


一度誘うように最奥をずちゅん、!と虐められれば完全に焦らされた理性の箍が外れた。

 


『○○の、ぐちゃぐちゃでえっちな奥、健人のおっきいので、ずんずんって突いて、くださ、』
「、ほんと、はあ、すき、く、○○ちゃんすきすき、俺以外見ないで、」
『んン、あ、あ、ぁあッ、は、も、〜〜〜ッ!』

 


降ろされた片脚が地に触れると同時に望み通りに最も感じる部分に昂った熱が侵入する。何度も突かれればあっという間に絶頂が間近に来て肌が粟立つ。首にするり、と回った手が徐々に力を込め喉の奥がきゅう、と締められる。酸素が枯渇して苦しいのにその苦しささえも健人の独占欲と愛情の塊だと思ってしまうわたしは、やっぱり健人の毒に侵されてる。

 

膜越しに放たれた熱を感じたのを最後に、意識が白い世界を迎えたのち遠のいた。快感で気絶する直前、僅かに開いたままだったカーテンの隙間から暗闇にぽかりとあの夜のような三日月が浮かんでいた、気がする。