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そして赤、緋、朱

 

 

風磨くんと不倫。裏。
特殊なお話のため閲覧注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


彼女はとても良く赤が似合う人で。

 

 

ふっくらとした唇を彩る柘榴色も、ほっそりとした手の先で映える真朱も、特別な時にしか着ないらしい黒地のワンピースに散らばる深緋も、全部全部○○さんのためにこの世に生まれてきたかのようだった。

 

 

そして俺が○○さんに贈った紅赤のピアスは未だ1度も彼女の耳許で揺れていない。

 

 

あれはいつだったっけ、何でそんなに赤が好きなのか聞いた俺に○○さんはきょとん、と長い睫毛を1度揺らして首を傾げた。

 

 


『わたし赤好きなんて言ったっけ?』
「確かにそれは聞いたことないけどさ、服とかバッグとか赤ばっかじゃん」
『え?......あ、ほんとだ、今気付いた』

 

 


可笑しそうに口許に手をあてて笑う○○さんはこんな風に掴み所の無い人だ。その儚さも相俟って、確かに俺の目の前に存在していて体温だって間近で感じれるのに半透明な存在で。いつだって俺は余裕ぶった仮面の下で必死に○○さんに向かって手を伸ばしてる。

 

 


『ああでも、椿が好きだからかな?だから無意識に赤選んじゃってるのかも』
「へえ、椿ね、なんか○○さんっぽい」
『ほんと?うれしい』

 

 


新しいこと1つ知れた、なんて甘酸っぱい気持ちをメンバーに知られてもしたら多分当分揶揄われる。想像して眉を顰めながら、ふと要らない知識が頭を過る。

 

 

それは昔誰かから聞いた、椿には悪い意味もあるから人に渡すには良くない、ということ。
でも、少し毒っ気のある花の方がきっと○○さんには相応しい。

 

 

確かに俺と禁忌の関係にあるという毒をその美の下に覆い隠しているんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『ん、ぁ、〜!そこ、すき、んン、』
「知ってる、............あとここと、ここも好きでしょ?」
『ひゃあ、っ!ふ、ぁああ、イっちゃ、』

 

 


真っ白な肌に浮く桃色のそれに吸い付き舌の先で転がしながら、充分蜜で潤った花弁に触れる。とろとろに解れ切ったそこに浅く指を差し込めば、処女のようにキツく締め付けられ、これからの快感への期待に自身が更に膨らんだ。

 

 

瞼をぎゅ、と閉じながら達したのだろう、○○さんの腕は余韻でぴくぴくと小さく震えていて。その瞼の裏には誰がいる?この腕に赤黒い花を浮かべさせた旦那さん?
今○○さんをぐちゃぐちゃに乱しているのは俺なのにどうしようもない嫉妬に駆られる。荒ぶる気持ちのまま使い慣れた0.01に手を伸ばせばそっと遮られる。

 

 


『あの、ピル、飲んでるし...』
「ん、知ってるよ?」

 

 


それを知ったのは関係を始めた頃のことだから、もう3年前。今でも、"旦那さんは、子供要らないんだって"、と寂しそうに目を下げた○○さんを覚えてる。だからといって、万が一のことを考えて今まで一切生でシたこともないし、○○さんもそれを許さなかった。

 

 


『風磨くんが良ければ、その、』
「......いいの?」

 

 


こくん、と頷いた瞳に意思を感じて期待してしまう。もしかして、なんて今まで何度もそんな想いは殺され殺してきたのに。堪らず先走りが洩れでた尖端を蜜口に充てれば、ぬちゅ、と音を奏でぐつぐつと欲が湧き起こった。

 

 


「ごめん、我慢できねえわ」
『ん、いいよ、きて?』
「...このまま既成事実、作っちゃう?」
『、あ、〜〜!ふ、んん、あ、あ、』

 

 


○○さんの返事を聞く勇気なんて勿論無い。ぐ、と押し込み初めて触れ合えたそこは容赦無く絡みつく。熱すぎる蜜壷の中では理性なんて効かなくて。剥き出しの本能で思うままに互いに快感を感じ合う。

 

 

最奥を感じたくて持ち上げた腰にはまた赤黒い花。お腹や太腿、背中にも咲いている忌々しいそれをす、と指で辿れば○○さんの顔が悲しそうに歪み、"汚い?"と問い掛けた。

 

 


「○○さんに汚いものなんて1つもないから、......ほら、俺のことで頭いっぱいにしてよ」
『ふまくんで、いっぱいにして、?』

 

 


元々無かった余裕がゼロになる。細すぎる腰を少し浮かせ中で一回り膨らんだそれを最奥に捩じ込む。ぷにゅ、と押し潰した子宮口は膜越しで触れた時より柔らかくてトロトロ。ヤミツキになりそうな感覚に汗の粒が浮かぶ。

 

 

白く濁った俺の愛が○○さんに届いて、0.3%の可能性でこのまま○○さんを自分のモノに出来たらいいのに。俺の子供を孕みながら旦那に別れを告げたらいい。それで家族3人幸せに暮らして、子供の運動会なんかで張り切って、なんて、夢物語なのだろうか。

 

 


「、やべ、っ、○○さん、中出すから」
『ひゃ、あ、んん、〜!だ、して、ふまくんの、いっぱいちょーだい、?』
「、!ほんと、敵わないわ、......ッ!」
『あああ、!熱、奥届いちゃ、ン、〜〜〜!』

 

 


びくびく、と欲を最奥にぶちまけながら夢中で唇を重ねる。あんだけ積極的だったのに、小さな咥内の中で照れたようにぎこちなく絡められる舌さえも愛おしくて仕方ない。栓が抜けたようにとろり、と白濁を零すそこに再びそれを押し込みながら、0.3%叶えようと中を軽く掻き乱した。

 

 


『んん、も、ふまく、』
「その呼び方可愛い、エッチの時だけだもんね?」
『〜!風磨くんの馬鹿、!もう揶揄わないの』

 

 


拗ねたように尖らせた上唇にちゅ、と口付ければ自然と2人の視線が絡む。その澄んだ瞳の奥に、哀しさと戸惑いと、愛おしさが見えるのは都合の良い妄想なんかに思えない。

 

 


「○○さん、......一生愛するからさ、もう俺のものになってよ」

『風磨くん......でも、迷惑掛けるかも』

「そんな迷惑寧ろ大歓迎じゃん?大丈夫、俺らなら乗り越えられるよ」

『、ごめんね、風磨くんのことわたしも愛しちゃった』

 

 


現実はきっと思うほど簡単でも優しくもないだろう。不倫の末の略奪愛、そして結婚なんてアイドルとしては死でしかない。それでももう今の俺には○○さんの回した腕、体温、香り、柔らかな感覚、胸を締め付けるこの感情が全て。

 

 

世界を敵に回しても自分でも呆れるくらい○○さんに依存し、そして、愛してる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、昨日の出来事が未だに信じ難くて一日中そわそわしていれば中島から"彼女でもできた?"、と的確な指摘をされた。

 

 

もうそろそろ○○さんが必要最低限の荷物を持ってこの部屋に来る。車での送り迎えは、旦那さんは昨日から3泊4日の出張だし、タクシーを使うから、と断られた。さっきから何度も確認している長針が漸く約束の時間の10分前を指した、その時。静寂な部屋に鳴り響いた着信音に肩を揺らす。光るスクリーンには"○○さん"と表示されていた。

 

 


「あ、○○さん?今タクシー?」
『......風磨、くん、』

 

 


リズムの乱れた呼吸に嫌な息遣い、震えた声色にさっきまでの気持ちが一気に鉛のように重たく冷え、電波にのって震えが伝わる。
何か、何かが、おかしい。

 

 


『わたし、人をこんなに愛したのは、風磨くん、、が、初めて......あ、のね、...』
「○○さん?、ッ○○さん!」

 

 


幾ら問い掛けても電話は繋がったままなのに返事は無くて。最悪な事態が頭を過ぎり情けないほど震える手でドアノブを握った。飛び乗ったタクシーの運転手は変装も何もしていないどころか顔面蒼白な俺に仰天してたけど、そんな事はどうでもいい。

 

 

○○さん、俺だってこんなに人を愛したのは、貴女が初めてだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前に聞いた住所には黒を基調とした立派すぎるほどの家が建っていて、到底○○さんには似合わない家。ただ、何処からか漂う花の香りだけは、彼女の存在を感じさせた。

 

 

飛び込んだ部屋には散らばる無数の写真とガラスの破片。ボロボロのクッションに倒れた家具たち。拾い上げた1枚の写真には、俺と○○さんが、ただ愛おしそうに互いを見詰めあっている瞬間が切り取られていた。

 

 


「○○さん、!!」

 

 


庭に続く窓の傍でふわ、と揺れたカーテンが人影を透かす。そこに寝ている○○さんは特別な時にしか着ない、と言っていたお気に入りのワンピースに身を包み、その深緋は身体から溢れ出た鮮やかな赤に塗り重ねられていた。

 

 

左の薬指には少しキツイの、と話していた指輪の跡、耳許には揺れる紅赤。腕や足の赤黒い花は緑に色を変え、新たな痣が身体を赤く染めている。

 

 


「......ごめんな、1人にさせないから、」

 

 


傍に転がった包丁を手に取り、○○さんが行こうとしていたのであろう場所に2人で向かう。花の香りの正体は、庭に咲く大量の椿。○○さんはきっと最期に俺の声を聴きながら花たちの傍に行こうとしていた。自分のような、花の傍に。

 

 

地で死にながら咲いている花と、生い茂った緑の中で生き生きと咲いている花をもぎとり、○○さんに咲かす。

 

椿に囲まれた彼女はやっぱりよく赤が似合う人だった。

 

 


俺のものになってよ、なんて格好付けて言ったんだからさ、守らせてよ。

 


それに、○○さんのいない世界なんてもう俺が咲く世界じゃないから。

 

 


「......来世でも愛してる、なんてクサいか」

 

 


鋭い痛みを心臓に感じる俺を横目に、椿が花の姿のままぼとり、と地面に堕ちる。

 

 


『椿みたいに生きたいの』

 

 


何でもなさそうに軽やかに笑った彼女は、椿の意味を知っていたのかも、しれない。

 

 

 

 

 

 

 


END